栃木中部・宇都宮No.271★地図で見る →
大谷資料館
宇都宮の地下に広がる大谷石の採掘場跡。約2万平方メートル・深さ30mの地下空間で、1919年から1986年まで採掘が続けられた。

大谷資料館で立っている場所は、すべて「無くなった分」の空間だ。1919年(大正8年)から1986年(昭和61年)に採掘を終えるまで、およそ70年をかけて石工たちが大谷石を一つずつ切り出していった、その跡が残っている。広さは約2万平方メートル(およそ140m×150m)、深さは地下30mに達し、四角く削り出された柱と、工具の痕が刻まれた岩壁が四方の闇に立ち上がる。坑内の気温は年間を通じて平均8℃。8月には天然の冷蔵庫となり、2月には本気で寒い。採掘が終わってからは映画の撮影、コンサート、結婚式の場として使われてきた。理由は単純で、この規模の空間は地上のどんな建物にも作れないからだ。
なぜ穴場のままか
大谷石は軽く加工しやすい凝灰岩で、宇都宮の建築を支え、フランク・ロイド・ライトが旧帝国ホテルに採用したことで名を全国に広めた。しかしその石を切り出した採掘場が公開されていることは、訪日客にはほとんど知られていない。日光から1時間、宇都宮駅からはバスで30分の距離にある。
歴史・背景
大谷石は、この一帯で採れる軽く柔らかい凝灰岩で、加工しやすさから宇都宮周辺の建築材として定着し、フランク・ロイド・ライト設計の旧帝国ホテルに用いられたことで栃木を超えて知られるようになった。ここの地下採掘は1919年(大正8年)に始まり、およそ70年続いて1986年(昭和61年)に終了した。露天掘りではなく下方向・横方向へ掘り進めた結果、約2万平方メートル・地下30mに達する一続きの空洞が残り、柱と壁面には今も採掘の工具痕がそのまま刻まれている。跡地は大谷石の歴史と、採掘が生んだこの空間そのものを見せる資料館として公開され、以後は映画やコンサートのロケーションとしても定着した。
見どころ

- 地下の大空間
- 最も広い一続きの空洞。四角い柱と地下30mの深さが同時に把握できるよう照明が当てられている。撮影隊が目指すのはこの場所だ
- 岩壁の工具痕
- 初期の手掘りの削り跡と、後年の機械切りの平滑な面が並ぶ。作業がどう変わっていったかがそのまま読み取れる
- 冬季限定の「石の華」
- 冬にだけ、岩の表面に白い塩の結晶が浮かび上がる。ほかの季節には現れない現象
- 階段の途中の温度の境目
- 地上の空気から8℃へ落ちるのは、階段を数段下りるあいだのこと。この訪問でいちばん体で分かる瞬間だ
おすすめの楽しみ方
地下は1時間ほど見ておき、季節に関係なく8℃を想定した服装で。ここを甘く見る人が本当に多い。営業時間は季節で変わり、4〜11月は9:00〜17:00(入館16:30まで)、12〜3月は9:30〜16:30(入館16:00まで)で、冬季は毎週火曜が休館。徒歩圏の大谷寺(大谷観音)とあわせて回るのが定番で、両方行くなら宇都宮駅で「大谷観光一日乗車券」を買うとよい。宇都宮は餃子の街でもあるので、駅に戻ってからの締めは自然と決まる。
実際の行き方
- 東京→宇都宮駅(JR東北新幹線、またはJR宇都宮線)。
- 宇都宮駅西口→「資料館入口」(関東バス「大谷・立岩」行き、約30分・約460円)。
- 「資料館入口」→資料館入口(徒歩約5分)、そこから階段で地下採掘場へ。
- 宇都宮駅西口から関東バスで
- JR宇都宮駅西口のバスターミナルから関東バス「大谷・立岩」行きに乗り、約30分(片道約460円)、「資料館入口」で下車。そこから徒歩約5分で資料館の入口に着く。バスは1時間に1〜2本程度なので、地下に降りる前に帰りの時刻を確認しておくこと。
- 帰りも「資料館入口」から宇都宮駅へ
- 同じ関東バス路線で「資料館入口」から宇都宮駅西口へ(約30分)。1時間に1〜2本しかないため、到着時にバス停の時刻表を見て帰りの便を押さえておくとよい。実用的な最終便は思ったより早い。
行く前に
- 現金
- 入館料は大人1,000円、小中学生400円(20名以上の団体割引あり)。「大谷観光一日乗車券」は宇都宮駅からの路線バス乗り放題に大谷資料館の入場券と大谷寺の拝観券がセットになっており、両方を回るならこちらが安い。
- 定休
- 坑内の平均気温は8℃、真夏でも13℃ほどにしかならない。地上の天気に関係なく上着は必須と考えてよい。床は不揃いな岩肌で場所によって湿っているので、滑りにくい靴で。
- 別ルート
- 車なら宇都宮市街から約20〜30分、駐車場あり。バスを逃した場合は宇都宮駅からタクシーを使うのが確実。
- 降りたあと
- 「資料館入口」バス停から資料館方向の案内に従って徒歩約5分。券売の建物は、採掘場へ降りる階段の上にある。