京都北東・八瀬No.334★★地図で見る →
瑠璃光院
比叡山の麓・八瀬にある、春夏秋の期間限定公開の寺院。二階の黒漆の机が外の楓を逆さに映しとる景色で知られる。

瑠璃光院は比叡山の麓、八瀬にある。京都の市街が尽きて山がはじまる、その境目だ。もともとは個人の別荘として建てられ、寺になったのは2005年——だから建物のつくりが寺らしくない。堂を中心に伽藍を組むのではなく、内側から庭を見るために設えられた、精緻な木造の「家」なのだ。有名な景色は二階にある。窓と平行して据えられた長い黒漆の机。春の青もみじ、秋の紅葉が、磨き込まれた天板にほとんど歪みなく逆さに映る。それは実在する光景であり、同時にこの寺が拝観を絞っている理由でもある。公開は春・夏・秋の一定期間のみ。秋は原則として事前予約が要る。
なぜ穴場のままか
写真は日本中の誰もが見たことがある。だが「一年の大半は閉まっている」ことを知る人は少なく、季節限定+予約制という仕組みが、写真の知名度に比して外国人の来訪をかなり抑えている。
歴史・背景
建物の始まりは20世紀初めの個人別荘だった。場所は八瀬——古くから保養の地とされ、かま風呂による療養の伝統で知られた谷である。2005年に浄土真宗光明寺の系統の寺院となり、以後は限られた期間だけ公開されてきた。内部と苔庭が今の状態で残っているのは、この拝観制限あってのことでもある。
見どころ(歩く順)

- 二階の漆の机
- 例の映り込み。磨かれた黒い天板に楓が逆さに乗る
- 瑠璃の庭
- 建物の内側から見るために設えられた眼下の苔庭
- 別荘としての木造り
- 堂ではなく「家」として建てられた、精緻な数寄屋の仕事
- 八瀬のかま風呂
- この谷に伝わる蒸し風呂の療養文化を伝える遺構
おすすめの楽しみ方
狙うなら青もみじの季節がいい。春・夏の公開でも映り込みは同じように見え、料金は変わらず、多くの場合は予約も不要で、11月下旬に比べて格段に空いている。季節を問わず、明るいが強すぎない日を選ぶこと——外の光が均一なときに、映り込みは最もはっきりする。
実際の行き方
- 京都駅→東福寺駅(JR奈良線・約2分)→出町柳駅(京阪本線・約11分)。
- 出町柳駅→八瀬比叡山口駅(叡山電鉄・約14分・10分間隔ほど)。
- 八瀬比叡山口駅→瑠璃光院(徒歩・約12分)。先に公開日程の確認を。
- 京阪+叡山電鉄+徒歩
- 京都駅→(JR奈良線・約2分)→東福寺駅→(京阪本線・約11分)→出町柳駅→(叡山電鉄・約14分)→八瀬比叡山口駅→徒歩約12分。計 約45分。叡山電鉄は10分間隔ほどで走るので、狙う列車を決めておく必要はない。
- 同じ経路を戻る
- 八瀬比叡山口駅まで歩き、叡山電鉄で出町柳へ。あとは京阪とJRで京都駅へ戻る。いずれも夜遅くまで本数の多い市内路線で、寺の方が電車よりずっと早く閉まる。
行く前に
- 現金
- 拝観料は2,000円(中学生以上、学生証提示で1,000円)。鉄道はICカード(ICOCA・Suica等)利用可。
- 定休
- 公開は期間限定。2026年はおおむね春4/15〜5/31、夏7/1〜8/17、秋10/1〜12/13で、10:00〜17:00(受付終了16:30)。秋は原則として事前予約制。出発前に必ず公式サイトで当年の日程を確認すること。
- 別ルート
- 駅下の高野川沿いは涼しく静かな川歩きの道。比叡山へ上る叡山ケーブルの駅も同じ駅のすぐ横にある。
- 降りたあと
- 八瀬比叡山口駅から寺へは徒歩約12分。参拝者用の駐車場はなく、公開期間中は周辺路地への乗り入れも控えるよう案内されている。