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伊香保温泉

onsen穴場——実はすごい

三百六十五段の石段がそのまま街の背骨になっている群馬の温泉地。ひとつの源泉を斜面全体で分け合うために戦国末期に計画された街並みで、頂上には湯と医薬の神を祀る伊香保神社が立つ。

伊香保温泉
実写(ライセンス済み)Qurren / CC BY-SA 4.0

伊香保の目抜き通りは、道ではなく階段である。斜面を約300メートル、三百六十五段の石段が上っていき、その両側に旅館や湯処、土産物屋、射的場が直接口を開けている。この配置ができたのは戦国末期、およそ440年前。日本で初めて温泉都市計画にもとづいて整備された温泉街とされ、上にひとつある源泉の湯を、街全体で分け合うための形だった。湯は今も石段の下を流れており、小満口と呼ばれる4カ所の観覧所からガラス越しにその流れを見下ろせる。石段を上りきった先が伊香保神社。上野国三宮に数えられ、大己貴命と少彦名命という、湯と医薬の神を祀る。三百六十五という段数は2010年の改修で延伸されたときのもので、一年の日数にそろえてある。

なぜ穴場のままか

群馬の温泉といえば草津、という前提がある。県内で温泉に寄るのは一カ所、という旅程が多く、伊香保はそこから漏れやすい。しかも石段街は「泊まる」対象ではなく「歩く」対象なので、ツアー商品にもなりにくい。

歴史・背景

伊香保が特異なのは、湯の湧く場所を中心に街が広がったのではなく、湯を配るために一本の線状に街を設計した点にある。斜面の背骨に沿って湯を落とし、両側の宿が途中で引く。その配管が今も生きていて、小満口の観覧所からは石段の下を走る源泉が見える。鉄分を含んで茶褐色に濁るこの湯は「黄金の湯」と呼ばれ、街の上手にある源泉地では毎分約1400リットルが湧き、飲泉所も設けられている。明治以降は文人・画家が集まる土地となり、徳冨蘆花の記念文学館と竹久夢二の記念館が今も残る。石段そのものも、山形の山寺、香川の金毘羅と並ぶ日本三大名段のひとつに数えられている。

見どころ

実写(ライセンス済み)NMaia / CC BY-SA 4.0
三百六十五段の石段
全長約300メートル。両側に宿と店が直接面していて、階段自体が商店街として機能している。
小満口観覧所
石段の下を流れる源泉を、ガラス越しに覗ける4カ所の窓。
伊香保神社
石段を上りきった終点。大己貴命・少彦名命を祀る上野国三宮で、湯と医薬の神とされる。
河鹿橋
街の上手に架かる朱塗りの太鼓橋。初夏の新緑と秋の紅葉で知られる。
伊香保ロープウェイ
約4分で上ノ山公園へ。屋根の連なりを見下ろす高さまで一気に上がれる。

おすすめの楽しみ方

上るなら夕方がいい。灯りが入りはじめ、それでいて店はまだ開いている時間帯だ。神社を越えてさらに進むと飲泉所と源泉の観覧所があり、毎分1400リットルが湧き出す様子を覗ける。河鹿橋はそこからもう少し上、秋はここが本命になる。石段には無料の足湯が2カ所あるので、下りの途中で足を休めるといい。帰りの上りがつらければロープウェイに逃げる手もある。

実際の行き方

起点
東京駅
所要
約2時間 · 新幹線+在来線+バス
降車
伊香保温泉バスターミナル
  1. 東京駅 → 高崎駅(上越・北陸新幹線 約50分)
  2. 高崎駅 → 渋川駅(JR上越線 約25分)
  3. 渋川駅 → 伊香保温泉(関越交通バス 約25分)、徒歩数分で石段下
新幹線+JR在来線+バス
東京駅 →(上越・北陸新幹線 約50分)→ 高崎駅 →(JR上越線 約25分)→ 渋川駅 →(関越交通バス 伊香保温泉行 約25分)→ 伊香保温泉。乗り換え込みで約2時間。バスは渋川駅前発で日中運行しているが、間隔が空く時間帯もあるので発車時刻は確認を。
同じ経路を戻る
渋川駅行きのバスは夕方以降に本数が減る。到着時にターミナルの時刻表で最終便を控えておくこと。渋川からはJR上越線で高崎へ出て新幹線に接続する。
現在地からの経路を開く(Google マップ)↗

行く前に

現金
現金を用意しておきたい。石段沿いの湯処・土産物屋・射的場は現金のみの店が多く、日帰り入浴も数百円を窓口で払う形が中心。
定休
石段は営業中の旅館が並ぶ生活道路でもある。荷物を運ぶ人が上下するので片側を空け、浴衣姿の宿泊客を撮るときは一声かけること。
別ルート
バスを逃した場合、渋川駅からタクシーでもほぼ同じ所要時間で着く。
降りたあと
伊香保温泉ターミナルは街の下側。数分坂を上ると石段の下り口が正面に開け、そこから神社まで上りが続く。

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