熊野筆
実写(ライセンス済み)Nobuyuki Kondo / CC BY 2.0

広島東・安芸郡熊野町No.988★★★地図で見る →

熊野筆

〜広島の筆の町〜

craft王道を、いちばんいい形で

筆の毛も軸の竹も採れないのに、日本の筆の大半を作っている広島の丘の町。町立の博物館が、天井から吊るされた大筆から職人の手元まで、その仕事をひと続きに見せている。

  1. 起点広島バスセンター
  2. 約45分広電バス・約45分
  3. 降車中溝バス停(広電バス)
  4. 徒歩
  5. 熊野筆

場所

広島のほかの記事 25件・地図で開く →

見どころ(歩く順)

筆の里工房Shinta / CC BY-SA 3.0
  1. 榊山神社斜面に建つ町の神社。境内に、役目を終えた筆を納める筆塚がある
  2. 神社の参道秋分の日の筆まつりに筆が吊るされ、筆の市が立つ道
  3. 筆の里工房静かな池を見下ろす丘に、低く伏せて建つ町立の博物館
  4. 常設展示の円形ホール天井から吊られた大筆。軸に伝統工芸士の銘が入っている
  5. 筆司の家とミュージアムショップ筆づくりの手元を見られる場と、町の筆が並ぶ売り場

実際の行き方

  1. 広島バスセンターまたはJR広島駅→中溝(広電バス・熊野萩原行または熊野営業所行・約45分)。
  2. 中溝から榊山神社へ坂を上る。工房が公開している散策マップがこの道を案内する。
  3. 神社から筆の里工房へ。常設の円形ホールを先に、そのあと筆司の家とショップ。
  4. 帰りは中溝から同じ路線で広島市内へ。上る前に夕方の便を確かめておく。
広島市内から広電バスで中溝へ
広島バスセンターまたはJR広島駅から、広電バスの熊野萩原行・熊野営業所行で約45分、中溝で下車する。熊野営業所行は出来庭に停まらない。中溝から先は丘を上る道で、この区間は工房が散策マップを公開している。
同じ広電バスで広島へ戻る
帰りは中溝の道路向かいから同じ路線で市内へ。観光路線ではなく町の生活路線なので、夕方は間隔が空く。丘を上る前に帰りの便を見ておくと安心だ。
現在地からの経路を開く(Google マップ)↗

どんな場所か

熊野町は広島の東南、木の茂る尾根に囲まれた盆地にある。筆に要るものは、この土地では何も採れない。山羊や馬の毛も、軸の竹も、すべて外から入ってくる。あるのは技術だけだ。農閑期に出稼ぎへ出た村人が、帰り道に奈良や兵庫で仕入れた筆を売り歩き、やがて作り方そのものを持ち帰った。いまも町の人のおよそ10人に1人が筆に関わっている。書筆、画筆、そして名前を海の外へ運んだ化粧筆。国内で作られる筆の大半が、この一つの町から出る。池を見下ろす丘の博物館が、その仕事を外の人間に開いている一点だ。

おすすめの楽しみ方

工房は朝に開き、入館の受付は閉館より前に締まる。早めに着いたほうが、実演を見る時間が残る。筆まつりは秋分の日で、舞台は榊山神社とその参道。筆が吊るされ市が立ち、この日だけは町が混む。熊野へのバスは観光用ではなく町の生活路線なので、帰りの時刻は出かける前に見ておきたい。

歴史・背景

熊野で筆づくりが始まったのは1830年ごろ、江戸の後期にあたる。耕地が足りず、農閑期の出稼ぎと行商で食いつないでいた村だった。行商の帰り道に有馬や奈良で技を習ってきた者たちが、それを村へ広めていく。佐々木為次、井上治平——町がいまも名を残しているのはこのあたりの人々だ。明治の学制で習字が全国の学校に入り、副業は産業になった。1975年、熊野筆は毛筆の産地として初めて国の伝統的工芸品に指定される。丘の神社で筆まつりが始まったのは、それより早い1935年のことだ。

行く前に

現金
工房は入館料が要り、支払いは受付とショップの窓口で行う。バスは町の生活路線なので、現金は持っておきたい。運賃も入館料も改定されるものなので、前もって決め打ちせず当日に確かめること。
知っておきたいこと
工房は企画展の入れ替えと休館日をカレンダーで公開している。出かける前に見ておきたい。敷地は丘の上にあり、道からの上りは思ったより坂がある。筆まつりの日は神社もバスも混む。
別ルート
JR側からなら、JR矢野駅から同じ広電バスで約15分、JR呉駅からは約35分。熊野営業所まで乗ってしまった場合は、工房はそこからタクシーで約7分と案内している。車なら広島市内から約35分、敷地に駐車場がある。
降りたあと
中溝で降りたら、幹線から離れる方へ坂を上る。この区間は工房が散策マップを出している。途中の斜面に榊山神社があり、坂を上りきると池の向こうに工房の建物が見えてくる。

近くのノート

距離は地図上の直線で、移動時間ではありません。