東京圏・群馬県草津町No.266★★★地図で見る →
草津温泉の湯畑
草津温泉の中心で湯けむりを上げる源泉。毎分約4,000リットルの湯が7本の湯樋を流れ、空気にさらされて温度を下げてから町中の浴場へ送られる。無料、囲いなし、夜はライトアップ。

自然湧出量で日本一とされる草津温泉。その「量」が目に見える形になっているのが湯畑だ。町の真ん中に毎分約4,000リットルが湧き出し、7本の湯樋を通って流れ落ちていく。源泉の温度は約55℃。そのままでは入れないため、湯樋を流れるあいだに空気にさらして冷ます——水を足さずに温度だけを落とす仕組みである。流れるうちに成分が凝縮・沈殿し、樋の底に溜まったものが「湯の花」として採取される。泉質は強酸性でpH2.1。湯畑の脇には、八代将軍徳川吉宗のもとへ湯を汲み上げて運んだことを示す石柱が立つ。
歴史・背景
草津の湯は古くから効能で知られ、この町の性格は特定の一軒の名旅館ではなく、湧出量と泉質の強さそのものによって決まってきた。湯畑のそばには八代将軍吉宗お汲上湯の石柱や古い湯枠が残り、江戸時代にこの湯の評判がどこまで届いていたかを伝えている。町がずっと抱えてきた課題は「熱さ」だった。約55℃で湧く湯はそのままでは入れず、かといって水で薄めれば人が求めてきたものが薄まる。その答えが、水を足さずに空気で冷ます湯畑の7本の湯樋であり、隣の熱乃湯では同じことを人の手でやる——長い板で湯をかき混ぜる湯もみが、唄に合わせて実演される。近代の評価を決定づけたのは19世紀のドイツ人医師エルヴィン・ベルツで、彼は草津の湯を医療資源として研究し高く評価した。町にはその胸像が立つ。同じ「熱すぎる」という問題からは、号令に合わせて一定時間だけ浸かる「時間湯」の作法も生まれ、いまも草津の入浴文化として受け継がれている。
見どころ(歩く順)

- 7本の湯樋
- 毎分約4,000リットル・pH2.1の湯が、町の中心を7本の木の樋になって流れ落ちる
- 湯の花
- 湯が冷えるあいだに成分が凝縮・沈殿し、樋の底に溜まったものが湯の花として採取される
- 吉宗お汲上湯の石柱
- 八代将軍徳川吉宗のもとへ湯を運んだことを示す、湯畑の縁に立つ石柱
- 熱乃湯の湯もみ
- 湯畑のすぐ隣。長い板で湯をかき混ぜて冷ます湯もみが、唄と踊りとともに実演される
- 西の河原公園
- 徒歩約12分。湯が地表から湧き出したまま流れる谷で、奥に大きな露天風呂がある
おすすめの楽しみ方
湯畑は屋外・無料・時間制限なし。だからこそ、立つ時間によってまったく別の場所になる。夜明け直後は冷えた空気に湯けむりが最も濃く立ち、広場はほぼ無人。日が落ちればライトアップされ、周りの通りが最もにぎわう。その合間に西の河原公園(徒歩約12分)の露天風呂まで歩き、湯畑脇の熱乃湯で湯もみを見る。両方の顔を見るなら、1泊するのが自然だ。
実際の行き方
- 上野駅→長野原草津口駅(JR特急・約2時間15分)。
- 長野原草津口駅→草津温泉バスターミナル(JRバス・約25分)。
- 草津温泉バスターミナル→湯畑(徒歩・下り坂・約5分)。
- 上野から特急+JRバス
- 上野駅→(JR特急 長野原草津口方面、約2時間15分)→長野原草津口駅→(JRバス、約25分)→草津温泉バスターミナル→(徒歩約5分・下り坂)→湯畑。総所要約2時間45分。バスは列車に接続しているので待ち時間は短い。
- バスで長野原草津口へ戻り、特急で上野へ
- 草津温泉バスターミナルからJRバスで長野原草津口駅(約25分)、特急で上野へ(約2時間15分)。着いたときにターミナルの掲示でその日の時刻を確認しておくこと。夕方以降は本数が減り、最終の接続を逃すとその日は帰れない。
行く前に
- 現金
- 湯畑そのものは無料・時間制限なし。熱乃湯(湯もみ実演)と西の河原露天風呂はそれぞれ有料。山の中の町なので、カードが使えない浴場・屋台・土産店もある。現金を用意しておきたい。
- 定休
- 湯畑は屋外にあり、ライトアップされる夜間も含めていつでも見られる。泉質は強酸性のpH2.1——水を足さず空気で冷ましているのはこのためだ。入浴の際は、金属のアクセサリーや肌の弱さにいつも以上に気をつけたい。
- 別ルート
- 新宿・渋谷・東京駅から草津温泉バスターミナルまで、乗り換えなしの高速バスが約4時間で走っている。車なら東京から約3時間。
- 降りたあと
- 草津温泉バスターミナルから坂を下って徒歩約5分。湯畑は町の中心の広場にあり、着く前から湯けむりが見えてくる。