滋賀・近江八幡 北之庄町No.379★★地図で見る →
ラ コリーナ近江八幡
〜田園に沈む草屋根の菓子村〜
滋賀の菓子舗・たねやとクラブハリエの旗艦施設。2015年開業、設計は建築家の藤森照信。メインショップは屋根一面が生きた芝に覆われ、敷地には実際に米を作る田んぼがある。

駅からの道をひと曲がりすると、建物が建物に見えない。メインショップの屋根は生きた草の一枚の斜面で、ほとんど地面まで下りている。遠目には、扉のついた低い緑の丘だ。中に入ると天井は炭のように黒い松で、無数の小さな黒い点が散っている。仕様書ではなく手でつくられた感触——藤森照信の署名だ。建築史家でありながら設計もするこの人の建物は、草と焼杉と手で塗った漆喰で動いている。ショップの奥にも敷地は続く。黄色い壁の菓子工房、城のような煉瓦の塔、銅葺きの長い建物、マーケット、そして会社が実際に耕す田んぼ。その真ん中に、日本中から人が来る理由がある——その場で焼くクラブハリエのバームクーヘンで、焼きたてには行列ができる。菓子屋の本社が風景になることを選んだ場所で、寺でも城でも湖でもないまま、滋賀有数の集客地になった。
なぜ穴場のままか
藤森照信の建築は国際的に高く評価されている一方、ほとんど訪ねられない——多くが個人住宅か、小さな茶室か、美術館の展示物だからだ。ラ コリーナは、無料で、週7日、まるごと歩いて入れる藤森の風景で、しかも菓子を食べて帰れる。この規模でこれほど近づける場所は日本にほかにない。
歴史・背景
たねやは近江八幡の老舗菓子舗、クラブハリエはその洋菓子部門で、バームクーヘンで全国に知られる。ラ コリーナは2015年、旧市街の北、山の裾の農地に旗艦施設として開業した。設計は藤森照信——建築史家から設計者になった人物で、屋根に植物を育て、焼杉と手塗りの漆喰と不揃いの手斧仕上げの木を使う建築で国際的に知られる。敷地の田んぼは装飾ではない。会社が実際に稲を育てている。
見どころ(歩く順)

- 草屋根のメインショップ
- 藤森建築の看板。地面まで下りる芝の屋根と、黒松の天井。ぐるりと一周してみるといい
- バームファクトリー
- バームクーヘンをその場で焼いて売る工房。週末は行列を覚悟して
- 田んぼと奥の敷地
- 実際に稲を育てている水田と、背後の里山。建物が小売ではなく風景に見える理由がここにある
- カステラショップとフードコート
- 敷地に点在する別棟。それぞれ違う構造の発想でつくられ、腰を落ち着けて食べられる席がある
おすすめの楽しみ方
営業は9:00〜18:00、フードコートは10:00〜17:00。入場は無料で、払うのは食べたもの・買ったものだけ。土日祝は本当に混み、バームクーヘンの行列は昼前後がピークになるので、平日の午前はまったく別の体験になる。最低でも1時間半、食べるなら2〜3時間みておきたい。近江八幡の八幡堀の町並みや西の湖のヨシ水路の舟めぐりとは目と鼻の先で、寺をひとつも入れずに京都から1日の行程が組める。
実際の行き方
- 京都駅→近江八幡駅(JR琵琶湖線・新快速・約40分)。
- 近江八幡駅北口→ラ コリーナ前バス停(近江鉄道バス・約10分/徒歩なら約25分)。
- まず草屋根のメインショップ、次にバームファクトリー、そのあと奥の敷地と田んぼを歩く。
- 京都から近江八幡、そこからバスで少し
- 京都駅→(JR琵琶湖線・新快速 米原方面・約40分)→近江八幡駅。北口から近江鉄道バスに乗り、「ラ コリーナ前」下車 約10分。バスは本数が多くない——着いたら停留所で時刻表を確認しておく。タイミングが合わなければ駅から徒歩約25分でも行ける。
- バスで近江八幡駅へ戻る
- 道の反対側の停留所からバスで近江八幡駅へ、JR琵琶湖線で京都へ。バスの本数が限られるので、帰り際ではなく到着時に帰りの時刻を控えておくこと。京都方面の電車は遅くまで頻発している。
行く前に
- 現金
- 入場無料。店舗・カフェはカードが使える。バス運賃はICOCA・Suica等のICカードで払え、JR区間も同様。
- 定休
- 営業は9:00〜18:00だが、フードコートは10:00〜17:00と短い——16:30に空腹で着くと失敗する。土日祝と大型連休は混雑し、焼きたてのバームクーヘンは売り切れることがある。
- 別ルート
- 車なら駐車場があり素直に行ける。八幡堀や西の湖と組み合わせやすい。近江八幡駅から徒歩なら平坦な道で約25分。バスの時刻が噛み合わないときの現実的な代替になる。
- 降りたあと
- 「ラ コリーナ前」バス停からは入口がすぐ見える。店の看板ではなく、低い緑の丘を探すこと。正面の草屋根の建物がメインショップ。