東京圏・茨城県つくば市No.371★★地図で見る →

筑波山

nature穴場——実はすごい

茨城県にある双耳峰の霊山。男体山871m、女体山877m。筑波山神社は山そのものを御神体とし、二峰の間の稜線へはケーブルカーとロープウェイで上がれる。

筑波山
実写(ライセンス済み)RESPITE / Public domain

関東平野は広大で、しかもほとんど平らだ。だからそこから単独で立ち上がる山は、遠くからでも見える。「西の富士、東の筑波」という言い回しが、この山を日本でいちばん有名な山と並べているのはそのためである。高い山ではない。二つの峰は871mと877m。日本百名山のなかでも最も低い部類に入り、夕暮れに斜面が帯びる色から「紫峰」とも呼ばれる。標高の代わりにこの山が持っているのは平野だ。稜線に立つと、どの方角にも遮るもののない土地が地平線まで走り、冬の晴れた朝には、その果てに富士が現れる。山は対として祀られている——男体、女体。麓の筑波山神社は伊弉諾尊と伊弉冊尊を祀り、社殿ではなく山そのものを御神体とする。神社の脇から二峰の鞍部まではケーブルカーで約8分、東側のつつじヶ丘からはロープウェイで約6分。登らなくても山頂に立てる。二峰の間は徒歩約15分で結ばれている。神社から女体山へ向かう道には、名前のついた奇岩が続く。ひとつは「弁慶七戻り」——この岩の下をくぐるのを弁慶が七度ためらったという。

なぜ穴場のままか

東京発の山は高尾か富士に向かい、東へは行かない。だから日本の子どもなら名前を言える山が、秋葉原から90分の距離で、訪日客にはほぼ空白のままになっている。しかもこの山は寛容だ。リフトで山頂に立てるので、登山なしに霊山の体験が成立する。眺めの中身も「山々」ではなく「平野」で、これは多くの訪日客が上から見たことのない風景である。

歴史・背景

筑波山神社は伊弉諾尊・伊弉冊尊を祀り、山そのものを神の身体として扱う。麓の社殿より古い形の信仰である。山は8世紀の『万葉集』に、斜面で男女が歌を交わした「嬥歌(かがい)」と結びつけて詠まれ、歴史時代を通じて参詣の対象であり続けた。江戸期には大道芸の口上とともに売られた「ガマの油」で知られるようになり、その口上はいまも郷土芸能として演じられている。西側のケーブルカーと東側のロープウェイは20世紀に開業し、登らない人にも稜線を開いた。現在は水郷筑波国定公園に含まれる。

見どころ(歩く順)

実写(ライセンス済み)Abasaa / Public domain
女体山(877m)
二峰のうち高い方。むき出しの岩の山頂で、関東平野を遮るものなく見渡せる
筑波山神社
麓に鎮座し、伊弉諾尊・伊弉冊尊を祀る。御神体は山そのもの
白雲橋コースの奇岩群
女体山へ向かう道沿いに、名前のついた割れ岩・重なり岩が続く。「弁慶七戻り」もそのひとつ
二峰をつなぐ稜線
片道約15分の鞍部の道。斜面にはツツジをはじめ季節の花が咲く

おすすめの楽しみ方

片側を往復せず、上りと下りで反対側を使うこと——神社からケーブルカーで上がり、稜線を歩き、つつじヶ丘へロープウェイで降りる(またはその逆)。どちらも約20分間隔で、夕方には終了するので、歩き出す前に最終便を確認しておく。眺めの季節は冬。平野の上の空気がいちばん澄み、富士が見える確率も高い。ただし山頂の岩場は遮蔽物がなく冷える。歩いて登る場合、神社からの標高差は約600m・所要約2時間で、散歩ではなく登山になる。

実際の行き方

起点
秋葉原駅
所要
約1時間30分 · ケーブルカーとロープウェイで山頂へ
降車
筑波山神社入口バス停(筑波山シャトル)
  1. 秋葉原駅→つくば駅(つくばエクスプレス快速・約45分)。
  2. つくば駅→筑波山神社入口(筑波山シャトルバス・約40分)。
  3. 筑波山神社→稜線(宮脇駅からケーブルカー・約8分)。
  4. 稜線を女体山まで歩き、ロープウェイでつつじヶ丘へ下る(約6分)。
つくばエクスプレスとシャトルバス
秋葉原駅→(つくばエクスプレス快速・約45分)→つくば駅。A3出口のバスターミナルから筑波山シャトルバスに乗り、神社とケーブルカーなら「筑波山神社入口」まで約40分。ロープウェイに乗るならそのまま「つつじヶ丘」まで乗る。神社とケーブルカーの駅は、バス停から坂を数分上がった先。
反対側へ降りて秋葉原へ戻る
ロープウェイでつつじヶ丘へ下り→(筑波山シャトルバス・約50分)→つくば駅→(つくばエクスプレス・約45分)→秋葉原駅。シャトルバスは夕方以降に本数が減るので、上がる前につつじヶ丘発の最終便を確かめておくこと。
現在地からの経路を開く(Google マップ)↗

行く前に

現金
つくばエクスプレスはICカードが使える。シャトルバスとケーブルカー/ロープウェイはそれぞれ別料金で、稜線を越えて反対側へ抜けるならバスと両リフトを含む共通きっぷが安く、つくば駅で買える。神社の参拝は無料。
定休
ケーブルカーとロープウェイはおおむね20分間隔で、夕方に終了する。季節変動と点検運休があるので、遅い時間の下山を組むなら事前確認を。強風時は運休することがある。山頂は遮るものがなく、冬は平野よりかなり気温が低い。
別ルート
JR常磐線の土浦駅からも山行きのバスがあり、つくばエクスプレスを使わず上野方面から来る場合に便利。車なら神社とつつじヶ丘の両方に有料駐車場があり、常磐自動車道の土浦北インターから約40分。
降りたあと
筑波山神社入口から参道を上がって拝殿へ。ケーブルカーの宮脇駅はその真裏にある。ロープウェイは山の反対側にあり、稜線を越える以外にここから歩いて行くことはできない。

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