東京圏・栃木県日光市鬼怒川No.283★地図で見る →
鬼怒川温泉
日光市北部、鬼怒川が刻んだ渓谷沿いに旅館・ホテルが連なる温泉地。泉質はアルカリ性単純温泉で、無味無臭・肌に優しい。浅草から特急1本、約2時間で着く。

鬼怒川温泉は、日光市の北部で鬼怒川が深く刻んだ渓谷の両岸に、旅館やホテルが崖ぎわまで建ち並ぶ温泉地だ。湯が見つかったのは江戸時代だが、当時ここは一般の湯治場ではなかった。入浴を許されたのは日光詣に訪れる僧侶と大名だけで、庶民に開かれたのは明治以降のことである。以来、関東屈指の大型温泉地として発展した。泉質はアルカリ性単純温泉。無味無臭でくせがなく肌に優しい湯で、神経痛・五十肩・疲労回復に効くとされる。開発の頂点は1970年代で、バブル崩壊後の不況は町を直撃し、渓谷沿いには今も草に覆われたまま残る大型建築がある。営業を続ける宿と、時間が止まった建物が同じ渓谷に並ぶ——磨き上げられた観光地ではなく、歴史がそのまま見える温泉町である。
なぜ穴場のままか
訪日客の日光は「東京から日帰り」で終わることが多く、そこから北へ30分の渓谷はほぼ視界に入らない。だが浅草から直通1本で、日光の短い日照時間という制約もこれで解ける。湯自体も硫黄臭や強い刺激がなく、初めての温泉に向く。
歴史・背景
江戸時代、日光は徳川家康を祀る東照宮の門前として全国から参詣者を集めた聖地であり、鬼怒川の湯もその参詣路の延長にあった。入浴が許されたのは僧侶と大名のみで、一般開放は明治維新後。20世紀に入り東武鬼怒川線が通じると、東京から乗り換えなしで到達できる大衆観光地へと変わり、1970年代には渓谷沿いに大型ホテルが次々と建った。1990年代の不況と地元金融機関の破綻が重なって町は打撃を受け、廃墟化した建物がいくつも残った。2000年代後半、燃料費高騰を背景に「鉄道で行ける行き先」として再評価され、現在も関東の主要な温泉拠点であり続けている。
見どころ

- 渓谷に面した露天風呂
- 多くの宿が鬼怒川渓谷に直接向いた露天を持つ。この町がこの場所にある理由そのもの
- 鬼怒川の川下り
- 渓谷の岩壁の間を下る舟。おおむね4月〜11月ごろの運航
- 東武ワールドスクウェア
- 世界の名建築102点を25分の1で再現した屋外パーク。約14万体のミニチュア人形が置かれる
- 江戸ワンダーランド 日光江戸村
- 江戸の町を再現したテーマパーク。忍者・花魁のショーがある。温泉街から近い
- 鬼怒川温泉ロープウェイ
- 谷の斜面を登るロープウェイ。渓谷と温泉街を見下ろせる
おすすめの楽しみ方
単独の目的地というより、日光旅行の「泊まり」側として組むのが合理的。世界遺産の日光の社寺までは車で約30分なので、昼は東照宮、夜は渓谷の湯という組み立てがしやすい。午後に着いて夕食前に川沿いを歩き、暗くなって静まってから風呂に入るのがいい。子ども連れなら、拠点を動かさずに東武ワールドスクウェアと江戸ワンダーランドを足せる。
実際の行き方
- 東武浅草駅→鬼怒川温泉駅(東武特急スペーシア「きぬ」直通・約2時間)。
- 鬼怒川温泉駅→各旅館(徒歩5〜25分、または送迎バス)。
- 浅草から東武特急で直通
- 東武浅草駅→(東武特急スペーシア「きぬ」直通・約2時間)→鬼怒川温泉駅。乗り換えなし。特急は全席指定なので、浅草駅の窓口かオンラインで事前に確保する。旅館は駅から徒歩10〜25分圏に集まり、到着時刻を伝えれば送迎車を出す宿が多い。
- 同じ特急で浅草へ戻る
- 鬼怒川温泉駅→(東武特急 浅草行き・約2時間)→東武浅草駅。特に紅葉期の日曜午後は混むので、往路の購入時に復路の指定席も押さえておく。満席なら下今市経由の普通列車でも戻れるが、所要時間は大幅に増える。
行く前に
- 現金
- 東武線はICカード(Suica/PASMO)が使えるが、特急券は別途購入が必要。温泉街の小さな店や一部の宿は現金前提のところが残るので、いくらか用意しておく。東武ワールドスクウェア・江戸ワンダーランドはいずれも入場有料。
- 定休
- 旅館の日帰り入浴は午後の限られた時間だけ、内容も宿ごとに異なる。行く日に個別に確認するのが確実。川下りは通年運航ではない。タトゥーの可否も宿によって違うので予約時に確認を。
- 別ルート
- 新宿からはJR・東武直通の特急「スペーシア日光/きぬがわ」で鬼怒川温泉へ入れる。日光側からは東武日光線で下今市まで行き、鬼怒川線に乗り換える。北からは野岩鉄道会津鬼怒川線が福島・会津方面へ接続している。
- 降りたあと
- 鬼怒川温泉駅から温泉街の通りが川へ向かって伸びる。近い宿は徒歩5〜10分、遠い宿で約25分。駅前に無料送迎バスとタクシーが待つ。