大阪・岸和田の城下町No.377★★地図で見る →

岸和田城とだんじり会館

local穴場——実はすごい

再建された天守と、その足元に広がるモダニズムの石庭。そこから数分の会館では、日本でも屈指の速さと危険をもつ岸和田だんじり祭を通年で見せている。

岸和田城とだんじり会館
実写(ライセンス済み)663highland / CC BY 2.5

岸和田のだんじり祭は行列ではない。数百人の曳き手が数トンの木造のだんじりを全速力で街路を走らせ、角ごとに「やりまわし」を仕掛ける——速度を落とさずに直角に曲げる技で、屋根の上では大工方が舞っている。開催は9月の数日と10月の数日だけ。その時期に日本にいなければ、まるごと見られない。だんじり会館はその穴を埋めるためにある。実物のだんじりが屋内に据えられ、まわりを歩いて彫刻の深さを確かめられる——欅に何層も彫り込まれた合戦の場面が、手の届く距離にある。2024年3月に刷新された大型映像は、曳行の内側に観客を置く。実物の祭を見た人でも入場料の価値がある、珍しい祭の博物館だ。そこから数分歩けば、堀の上に天守が立つ。1954年再建の三層天守で、1827年に落雷で焼け落ちた五層天守の代わりに建てられたものだ。そして意外なのはその足元にある。八陣の庭——1953年、モダニズムの作庭家・重森三玲が中国の兵法の八つの陣形を石で表した庭で、2014年に国の名勝に指定された。

なぜ穴場のままか

日本の大きな祭はたいてい全か無かで、その日にいなければ何も残らない。岸和田は、実物のだんじりと刷新された映像で通年の代替を本気で用意している数少ない街だ。そして隣の城が、宣伝されていない別のものを差し出す——天守そのものより格の高い、1953年の重森三玲の庭だ。

歴史・背景

岸和田だんじり祭は江戸時代前期から記録があり、およそ300年続いてきた。城の五層天守は文政10(1827)年の落雷で焼失し、その後1世紀以上にわたって再建されなかった。現在の三層三階の天守は昭和29(1954)年の建造。足元の八陣の庭は昭和28(1953)年、20世紀日本の作庭を決定づけた重森三玲による作品で、2014年10月6日に国の名勝に指定された——通常は数百年を経た庭に与えられる格を、現代の庭が受けたことになる。

見どころ(歩く順)

実写(ライセンス済み)663highland / CC BY-SA 4.0
屋内に据えられた実物のだんじり
実寸のだんじりを間近に一周できる。木に何層も彫り込まれた彫刻の深さがわかる
大型映像の祭
2024年3月に刷新された映像設備。やりまわしの速さと音を正面から浴びる
岸和田城天守
堀の上に立つ1954年再建の三層天守。内部は展示、上階から城下町を見渡せる
八陣の庭
天守の足元、重森三玲が1953年に八つの陣形として構成した石庭。2014年に国の名勝指定

おすすめの楽しみ方

だんじり会館は10:00〜17:00(入館は16:00まで)、大人600円・小中学生300円、月曜休館(月曜が祝日・休日の場合は開館)と年末年始休。岸和田城は9:00〜17:00(入場16:30まで)、大人300円・中学生以下無料、年末年始と展示替期間が休み。会館・城・きしわだ自然資料館の3館共通券は700円で、有効期間は1か月。会館は月曜休だが城は開いているので、行く前日に必ず曜日を確認しておく。9月・10月の祭そのものに合わせられるなら、そちらを優先すべきだ——会館は代替であって、同等ではない。

実際の行き方

起点
難波駅
所要
約35分 · 南海本線 頻発
降車
蛸地蔵駅(南海本線・徒歩約7分)
  1. 難波駅→岸和田駅(南海本線・約25分)、普通に乗り換えて1駅で蛸地蔵。
  2. 蛸地蔵駅→だんじり会館(北西へ徒歩約7分)。月曜でないことを確認しておく。
  3. 先にだんじり会館、そこから数分歩いて天守と足元の八陣の庭へ。
難波から南海本線で蛸地蔵へ
南海難波駅から南海本線・和歌山市方面へ。特急・急行で岸和田まで約25分。岸和田から普通に乗り換えて1駅で蛸地蔵、または岸和田駅から徒歩約13分でも行ける。蛸地蔵駅からだんじり会館までは徒歩約7分。電車は終日頻発している。
蛸地蔵または岸和田から戻る
帰りは蛸地蔵駅(普通のみ停車)から、または岸和田駅まで歩けば速達列車も使える。難波方面は夜遅くまで運行しているので、時間の制約はほとんどない。
現在地からの経路を開く(Google マップ)↗

行く前に

現金
だんじり会館は大人600円・小中学生300円。岸和田城は300円で中学生以下無料。3館共通券700円は自然資料館も含み、有効期間1か月。南海電鉄はICカードが使える。
定休
だんじり会館は毎週月曜休館(月曜が祝日・休日なら開館し翌日休)、12月29日〜1月3日も休み。岸和田城は同じ年末年始と展示替期間が休み。最終入館は会館16:00、城16:30。
別ルート
車なら阪神高速4号湾岸線「岸和田南出口」から約5分。ただし9月・10月の祭の日は旧市街が交通規制され、街全体が大変な混雑になる——その日程なら必ず電車で。
降りたあと
蛸地蔵駅から北西へ徒歩約7分で旧城下町へ。だんじり会館と岸和田城は互いに数分の距離にある。帰りに駅舎も一度見ておきたい——駅名の由来である蛸の伝説を描いたステンドグラスがある。

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