三重・二見No.393★★★地図で見る →
夫婦岩
二見興玉神社の沖に立つ大小二つの岩。太い大注連縄で結ばれている。これは景色ではなく、沖合の海中にある御神石を拝むための鳥居であり、初夏にはその間から日が昇る。

岩が立つのは、道開きの神・猿田彦大神を祀る二見興玉神社のすぐ沖だ。大きい岩と小さい岩が、神域を示す太い藁の大注連縄で結ばれていて、この二つを夫婦岩と呼ぶ。そして多くの参拝者が見落とす肝心な点がある——この岩自体は信仰の対象ではない。岩は鳥居として機能している。本当の御神体は、さらに沖の海面下に横たわる興玉神石であり、参拝者は岩と岩の隙間越しにその方角を拝むことになっている。おおよそ5月から7月にかけて、太陽はその隙間から昇る。空気が澄みきった朝には、その背後の水平線に富士山が見えることがある。冬には月が同じ線を通る。二見はまた、伊勢参りが伝統的に始まる場所でもある。伊勢神宮に参る前に、人々はここで海に入って身を清める「浜参宮」を行った。その習わしはいまも続いている。境内のいたるところに蛙がいるのは、蛙が猿田彦大神の使いであることと、「かえる」が無事に帰ることに掛かっているからだ。
歴史・背景
二見興玉神社の社名は、沖の海中にある御神石・興玉神石に由来し、この社は古くから伊勢へ向かう道中の禊の場であり続けてきた。岩を結ぶ注連縄は据え置きではない。年に三度、5月・9月・12月に公開の神事として張り替えられ、氏子が海に入って新しい縄を曳いていく。二見を先に、伊勢を後にというこの順序が、この一帯に伊勢参りの経済の中での役割を与え、海沿いの集落にはその時代からの旅館や商店が残っている。岩そのものは、一世紀以上にわたって日本の風景画と写真の定番の題材であり続けてきた。
見どころ(歩く順)
- 日の出の夫婦岩
- 5月から7月ごろ、二つの岩の間から日が昇る。とりわけ澄んだ朝には、その隙間の水平線に富士山が現れることがある
- 大注連縄
- 二つの岩を結ぶ太い藁の縄。年に三度、氏子が海に入って張り替える神事で架け替えられる
- 二見興玉神社
- 岸に立つ社。猿田彦大神を祀り、伊勢参宮の前に海で身を清める「浜参宮」の地
- 蛙の像
- 境内のいたるところに奉納された蛙。神の使いであり、「無事にかえる」の語呂でもある
おすすめの楽しみ方
ここは日の出の場所で、それ以外の時間では半分しか機能しない。二見か伊勢に前泊できるなら、5月から7月のあいだに夜明け前に来て堤防に立つこと。日中の岩は感じはいいが、ごく普通の岩に見える。二日取れるなら伝統の順序で回りたい——先に二見で禊、次に伊勢神宮。追加の費用はかからず、この土地の地理が腑に落ちる。二見浦駅からは海沿いを徒歩約20分、全区間ほぼ平坦だ。注連縄の張り替えを見たいなら5月・9月・12月の日程を確認しておくこと。相応の人出になる。
実際の行き方
- 名古屋駅→二見浦駅(JR快速みえ+参宮線・合計約100分)。
- 駅→海沿いの道→二見興玉神社・夫婦岩(東へ徒歩・約20分)。
- 伝統の順序では、二見で禊をしてから伊勢市駅経由で伊勢神宮へ。
- 名古屋駅→二見浦駅(JR)→海沿いを徒歩
- 名古屋駅からJR快速みえの鳥羽方面行きに乗り、伊勢市で参宮線に乗り継ぐか直通で二見浦駅まで、およそ100分。駅から海の方へ出て、海沿いの道を東へ徒歩約20分で神社と夫婦岩に着く。道は平坦で案内も出ている。
- 二見浦駅→伊勢市駅または名古屋駅
- 参宮線は本数が少ないので、出発前に帰りの時刻を確認しておくこと。伊勢市駅までは約10分で、伊勢神宮と近鉄網につながる。名古屋へまっすぐ戻るより、そのまま伊勢へ向かうのが自然な流れになる。
行く前に
- 現金
- 境内も夫婦岩の眺めも無料。現金を用意しておくこと——海辺の小さな集落で、参道沿いの商店や旅館はカード対応が一律ではない。JRと近鉄はICカードが使える。
- 定休
- 岩は屋外なのでいつでも見えるが、社務所は日中のみ。日の出を見るということは、遮るもののない堤防に立つということで、初夏でも夜明け前は冷えて風が強い。5月・9月・12月の注連縄張り替え神事は多くの人が集まる。
- 別ルート
- 大阪・京都からは近鉄特急で宇治山田または伊勢市へ、JR参宮線に乗り換えて二見浦。伊勢と鳥羽を結ぶ海沿いのバスもあり、神社の近くに停まる。
- 降りたあと
- 二見浦駅から海へ向かい、海沿いの道を東へ。参宮の集落の古い旅館の前を通って、徒歩約20分で神社と岩に着く。