宮城のカキ
実写(ライセンス済み)Ippukucho / CC BY 3.0

松島湾・奥松島No.1223★★地図で見る →

宮城のカキ

food穴場——実はすごい

松島湾は、食べるカキを育てるだけの海ではない。よその産地へ送る種ガキを生む海でもある。湾のいちばん外、宮戸島に建つあおみなは、冬のあいだ焼がきの小屋を開ける。

  1. 起点仙台駅
  2. 約1時間JR快速+車で10分
  3. 降車野蒜駅(JR仙石東北ライン)
  4. そこから
  5. 宮城のカキ

狙い目

松島湾のカキは名前を付けて売られていて、隠れた食べものではない。見えにくいのは、この海が食料庫であると同時に苗床でもある、という側面のほうだ。よその湾のカキ棚をさかのぼっていくと、種がここに行き着くことがある。湾の外れで食べると、その向きが正しい順に並ぶ。先に海を見て、あとで皿を見ることになるからだ。

場所

宮城のほかの記事 23件・地図で開く →

見どころ(歩く順)

嵯峨渓Satoh Junpei / CC BY-SA 3.0
  1. あおみな島の拠点。東松島の物産を並べ、遊覧船の受付もここでする
  2. 冬の焼がき小屋建物の脇に出る炉。寒い季節のあいだだけ開く
  3. 遊覧船の乗り場島の外海側、嵯峨渓の断崖を回る船が出る桟橋
  4. 大高森すぐ裏の山。松島湾を見下ろす四大観のひとつ
  5. 里浜貝塚と奥松島縄文村歴史資料館南西へ一キロほどの国史跡。貝層の断面が展示されている

実際の行き方

  1. 仙台駅→野蒜駅(JR仙石東北ラインの快速・乗り換えなし)。
  2. 野蒜駅→あおみな(車で約10分。歩ける道ではない)。
  3. 建物の中で遊覧船の窓口を確かめ、物産か焼がきの小屋へ。
  4. 大高森に上って湾を見下ろし、帰りに里浜貝塚へ寄る。
仙台駅から快速で野蒜へ
仙石東北ラインの快速が、仙台駅から湾沿いに野蒜駅まで乗り換えなしで走る。野蒜は快速の停まる駅だ。各駅停車の仙石線より速いぶん本数は多くないので、行きも帰りも列車を先に決めてから出たい。
野蒜駅から戻る
帰りも同じ線で仙台へ戻る。難しいのは島側で車をつかまえるほうなので、あおみなの窓口にいるうちに駅までの足を頼んでおく。日が落ちてからのその道は、時間がかかるものと見ておきたい。
現在地からの経路を開く(Google マップ)↗

どんな場所か

宮城のカキの生産量は広島に次いで全国二位で、その浜は松島湾から気仙沼まで続く。そのなかで松島湾には別の役目がある。県がここを「種場」として扱っているのだ。ここで採れた種ガキは県内外へ運ばれ、よその湾のカキ棚の始まりになる。海が浅いので、この湾で使われるのは沖のような延縄ではなく、簡単な垂下式の棚だ。宮戸島はその湾のいちばん外に浮かぶ島で、内海の静けさと外洋の潮が、ちょうどここで入れ替わる。

おすすめの楽しみ方

焼がきの小屋が開くのは、確認時点で十一月の頭から二月なかばまで。カキが目当てなら、その月に旅程を寄せるしかない。ほかの季節でも、あおみなは朝8時15分から物産と遊覧船の窓口として開いていて、大高森と里浜貝塚は一年じゅう歩ける。順番としては、先に大高森へ上がるのがいい。湾の形を頭に入れてから下りると、足元の貝の層と炉の上の殻が、ひと続きの話に見えてくる。

歴史・背景

この湾の貝は、ずいぶん昔から食べられてきた。宮戸島の西側には里浜貝塚があり、縄文時代から平安時代まで人が住み続けた跡が残る。1995年に国の史跡に指定された遺跡で、厚く積もった貝の層がその食の記録そのものになっている。養殖のほうはそれに比べれば新しい。松島湾でカキを育てるようになったのは江戸時代で、今の形をつくる垂下式が固まったのは大正期のことだ。

行く前に

現金
あおみなに入るのは無料で、払うのは買うものだけ。焼がきの小屋は確認時点で時間制の食べ放題になっていて、大人2,500円・小学生1,500円。遊覧船は建物の中の窓口で別に券を買う。
知っておきたいこと
焼がきの小屋は冬だけで、ほかの季節は物産と遊覧船の窓口として動いている。船は風と波で欠航するので、その日の予定から外れうるものとして組んでおく。湾側は仙台の市街よりはっきり冷える。
別ルート
日曜には松島と奥松島を結ぶ船が出ていて、有名なほうの岸から水路で渡ってくることもできる。車なら三陸自動車道の鳴瀬奥松島インターが近い。
降りたあと
野蒜駅からあおみなまでは道路でおよそ5.6キロ、車で十分ほど。歩いて行く距離ではないので、駅からはタクシーになる。着いてからの島めぐりの足としては、あおみなで自転車を借りられる。

近くのノート

距離は地図上の直線で、移動時間ではありません。