千葉南部・鋸南/鋸山No.103地図で見る →

車力道

〜石切り場から鋸山を下る運搬路〜

history穴場——実はすごい

鋸山にある石畳の旧採石運搬路。石を荷車で下ろした「車力(しゃりき)」と呼ばれた人々——多くは女性——の仕事の痕跡が、轍や切り立った石壁として今も残る。

車力道
実写(ライセンス済み)Joli Rumi / CC BY-SA 4.0

千葉・房総半島にある標高329mの鋸山は、長く建築石材の採石場だった。車力道は、切り出した石を山から下ろした運搬路のひとつ。石を木製の荷車に積み、急な勾配に逆らって荷車を引いてブレーキをかけながら下ろした。担い手の多くは女性で、一日に何度も往復したと地元に伝わる。石畳には荷車がつけた轍やブレーキ痕が今も残り、道は石を切り出したあとに残る垂直の壁の間を登っていく。尾根近くで、歴史ある寺・日本寺の境内へ通じる道に合流する。

なぜ穴場のままか

多くの人は有料道路かロープウェーで崖の展望台へ向かうため、古い運搬路を歩く人は少ない。登り口は漁港から内陸に入った所で英語の案内も少なく、歩くのに手間がかかるので静かなまま。

歴史・背景

ここで採れた房州石は、加工しやすく火に強い凝灰質砂岩。建築石材のほかカマドや七輪、石燈籠にも用いられ、近代化の時代には横浜港や砲台など東京湾岸の建設を支えた。長く手作業で切り出されてきたが、1958年(昭和33年)に機械のこぎりが導入されて日産量が大きく伸びた。その後、大谷石やコンクリートに押されて需要が減り、鋸山での採石は1985年(昭和60年)に終わった。鋸山とその採石景観は現在、日本遺産の候補地域に位置づけられている。

見どころ(歩く順)

実写(ライセンス済み)Joli Rumi / CC BY-SA 4.0
車力道の登り口
浜金谷駅から内陸へ徒歩約10分、切石の道が始まる
石畳に残る轍
車力の荷車がつけたブレーキ痕や車輪の跡
垂直の石切り壁
房州石を切り出したあとに残る切り立った岩壁
日本寺へ通じる
登り切ると歴史ある寺・日本寺の境内につながる

おすすめの楽しみ方

採石場のふもとから登る道として、轍や切り立った壁を読みながら歩き、日本寺の境内や尾根からの南房総・東京湾の眺めまで足を延ばすとよい。石段と急勾配があるので歩きやすい靴で。日本寺の境内は拝観料が要るので現金を用意する。

実際の行き方

起点
東京駅
所要
約2時間 · 電車少なめ+徒歩
降車
JR浜金谷駅
  1. 東京駅 → 千葉駅(JR総武快速線・約40分)
  2. 千葉駅 → 浜金谷駅(JR内房線・約85分)
  3. 浜金谷駅 → 車力道の登り口(徒歩・約10分)
JR電車+徒歩
東京駅→(JR総武快速線で千葉へ・約40分)→千葉駅→(JR内房線で浜金谷へ・約85分)→浜金谷駅、そこから徒歩約10分で登り口。計 約2時間。内房線は1時間に1本ほどしかないので、出発前に当日の時刻表を確認。
帰りも同じ経路
東京方面へ戻る内房線は1時間に1本ほどで、夕方になると本数が減る。着いたら浜金谷駅で帰りの時刻を確認し、下山が遅くなりすぎないように。
現在地からの経路を開く(Google マップ)↗

行く前に

現金
山頂近くの日本寺の境内は拝観料が要る。地方は現金のみのことが多いので小銭を用意。
定休
本物の山道で、濡れた石段は滑る。つるつるのスニーカーでなく歩きやすい靴で。
別ルート
脚が疲れたら、浜金谷駅近くからの鋸山ロープウェーで、登らずに山頂付近まで行ける。
降りたあと
浜金谷駅から内陸へ徒歩約10分、車力道・鋸山の案内標識に従うと、切石の道が始まる登り口に着く。

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