京都北西・嵐山〜亀岡No.295地図で見る →

嵯峨野トロッコ列車

〜保津川渓谷を走る〜

nature穴場——実はすごい

嵐山と亀岡を保津川渓谷沿いに結ぶ約25分の観光鉄道。線路は廃止された旧山陰本線をそのまま使っている。

嵯峨野トロッコ列車
実写(ライセンス済み)Streetdeck / CC BY-SA 4.0

この列車が走っている線路は、いわば残りものだ。1989年3月まではJR山陰本線の本線で、明治期に「山を掘るより川沿いを行くほうが安い」という理屈で保津川の谷底に敷かれた。電化・複線化で新線に切り替わったとき、急カーブの続く旧線は用済みになった。だがJR西日本はレールを剥がさず、1990年11月に子会社を設立し、1991年4月にこの7.3kmを「日本初の観光専用鉄道」として復活させた。駅はトロッコ嵯峨・嵐山・保津峡・亀岡の4つ。いまの列車は最初から最後まで渓谷の斜面に張りつき、新線がトンネルで抜けてしまう水面のはるか上を走っていく。

なぜ穴場のままか

嵐山そのものは秘境でも何でもない。ただ、ほとんどの人は竹林と渡月橋を見て引き返してしまう。その奥に渓谷があること、そしてこの列車が「鉄道会社が一度捨てた線路」を走っていることまで気づいている人は、ほとんどいない。

歴史・背景

山陰本線の京都〜亀岡間は、まだトンネルより谷筋が選ばれていた時代に保津川沿いへ敷かれた。20世紀後半になると急カーブが電化・高速化の足かせとなり、1989年3月、嵯峨〜馬堀間は新線に切り替えられて旧線は廃止される。これを再生するため1990年11月に嵯峨野観光鉄道が設立され、1991年4月にトロッコ列車が開業した。日本で初めての、観光だけを目的とした鉄道である。旧線の線形をそのまま残しているため、この乗車体験は明治期の土木遺産をなぞる行為でもある。

見どころ

実写(ライセンス済み)Jesper Rautell Balle / CC BY 3.0
渓谷そのもの
線路は保津川の崖の上を行くので、川面・瀬・下を進む舟がほぼ全区間で見えている。
5号車「ザ・リッチ号」
窓ガラスのないオープン車両。川の音と冷たい空気が直接入ってくる。
トロッコ保津峡駅
谷の奥にぽつんとある小さな駅。この列車か徒歩でしか行けず、川に吊り橋が架かる。
眼下の保津川下り
竿で操る舟が線路の下を通っていく。列車と舟、たいてい両方から手が振られる。

おすすめの楽しみ方

王道は「行きは列車、帰りは舟」。トロッコ亀岡まで乗り、連絡バスで乗船場へ移り、保津川下りで約2時間かけて嵐山まで戻る。同じ谷を上から一度、水面から一度見ることになる。時間がなければ、馬堀駅からJRで折り返せばいい。11月下旬は紅葉のピークで、同時に席が最も取りにくい時期でもあるので、予約は早めに。

実際の行き方

起点
京都駅
所要
乗車 約25分 · 観光鉄道(全席指定)
降車
トロッコ嵯峨駅
  1. 京都駅→嵯峨嵐山駅(JR嵯峨野線・約15分)。
  2. 嵯峨嵐山駅→トロッコ嵯峨駅(隣接・徒歩1〜2分)。
  3. トロッコ嵯峨→トロッコ亀岡(嵯峨野観光鉄道・約25分)。
JR嵯峨野線+観光鉄道
京都駅→(JR嵯峨野・山陰線・約15分)→嵯峨嵐山駅。トロッコ嵯峨駅はJR駅のすぐ隣なので、乗り換えは徒歩1〜2分。ここから嵯峨野観光鉄道で7.3kmを約25分かけてトロッコ亀岡まで。全席指定、片道の大人運賃は880円。
馬堀からJR、または舟で下る
トロッコ亀岡からJR馬堀駅までは徒歩約10分、嵯峨野線で嵯峨嵐山や京都へ戻れる。もう一つは保津川下り。トロッコ亀岡から乗船場(JR亀岡駅近く)への連絡バスがあり、同じ渓谷を今度は水面から、約2時間かけて嵐山まで舟で下る。
現在地からの経路を開く(Google マップ)↗

行く前に

現金
全席指定。事前予約は嵯峨野観光鉄道の予約サイトから。当日券はトロッコ嵯峨・嵐山・亀岡の各窓口で先着順に販売される(保津峡駅に窓口はない)。紅葉期の土日は早々に埋まる。
定休
運行はおおむね3月〜12月。原則として水曜が運休だが、ゴールデンウィークや紅葉期は水曜も走ることが多い。1〜2月は冬期運休。行く日の運行カレンダーを公式サイトで必ず確認しておくこと。
別ルート
5号車「ザ・リッチ号」は窓ガラスがなく、風も雨もそのまま入ってくる。追加料金はかからないが、切符の多くは当日販売にまわる。雨天でも車内で傘は差せない。
降りたあと
トロッコ嵯峨駅はJR嵯峨嵐山駅の真横。竹林側から乗りたければ、トロッコ嵐山駅も竹林から歩いてすぐで、列車はそこにも停まる。

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