
鹿児島北・磯No.1005★★★地図で見る →
薩摩切子
鹿児島の色被せガラスを、作っている場所で見る。一世紀前に途絶えた技を復元した磯の工場では、吹き・カット・磨きの現場が無料で公開されている。
- 起点鹿児島中央駅
- 約50分カゴシマシティビュー
- 降車仙巌園前(カゴシマシティビュー)
- 徒歩
- 薩摩切子
場所
鹿児島のほかの記事 12件・地図で開く →見どころ(歩く順)

- 磯工芸館海沿いの道に建つ白い洋館。天井の照明も切子でできている
- 吹き場竿と炉と型。透明な生地に色の層を厚く乗せる工程
- カット場回る砥石に生地を当て、色の層を貫くまで文様を彫る場
- 磨き場最後の工程。削り跡を磨いて、切子の面に光を戻す
- 尚古集成館隣の石造りの博物館。藩の時代の現物を収蔵し、復元を監修している
実際の行き方
- 鹿児島中央駅→仙巌園前(カゴシマシティビューで約50分)。
- 海沿いの道を西へ歩き、白い洋館まで。工場はその隣。
- 見学は作る順に。吹き場、カット場、磨き場と通る。
- 最後にギャラリーへ。券が合えば、隣の博物館や庭園へ渡る。
- 鹿児島中央駅からカゴシマシティビュー
- 市内の観光地循環バスが、鹿児島中央駅から日中およそ30分おきに出ている。仙巌園前までは約50分。直行ではなく循環バスなので、この所要には市街地を回る分が含まれている。停留所は海沿いの道、庭園の正門の前だ。
- 仙巌園前から戻る
- 同じ循環バスが、着いたのと同じ停留所から鹿児島中央駅へ回っていく。運行は夕方までで、夜まで走ってはいない。もっとも、工場のほうがバスより先に閉まる。
どんな場所か
工場は鹿児島市街の北、磯の海沿いにある。庭園と博物館が並ぶ一角の、その端だ。作業場は三つに分かれていて、見学はそのすべてを通る。最初の場では、透明なクリスタルと色ガラスをそれぞれ竿に巻き取って合わせる。透明な芯の上に、色の層が厚く乗った生地ができあがる。次の場では、回る砥石に生地を当てて手で文様を彫る。色の層を貫くところまで削るのが要点だ。三つ目の場は、その削り跡を磨いて光らせる。彫りが色を抜けたきわには、やわらかな濃淡が残る。これが「ぼかし」で、透明なガラスを彫る東京の切子と薩摩切子を分けているのは、この一点だ。
おすすめの楽しみ方
工場は一日のうちに何度か手を止める。いちばん長いのは正午からの一時間で、その前後に着けば、動いている手を見られる。立ち止まる価値があるのはカット場だ。色の層が厚いぶん砥石の当たりは読みにくく、それでも文様は狂わない。
歴史・背景
薩摩のガラスは、斉彬の父・斉興が研究を命じたところから始まる。斉彬はそれを工場群「集成館」の事業に組み込み、色ガラスを厚く被せる技を育てた。だが斉彬が世を去り、イギリス艦隊の砲撃と動乱が続いたあと、明治のはじめに火が消える。受け継がれず、いったん失われた技術だった。復元が形になったのは1980年代で、1989年に鹿児島県の伝統的工芸品に指定される。国でなく県の指定なのは、技がひとたび切れているからだ。隣の洋館は1909年、島津家の山林事務所として建てられている。
行く前に
- 現金
- 工場見学は無料で、予約もいらない。隣の洋館は有料の展示ではなく、買い物とギャラリーの建物だ。庭園に入るときは別に料金がかかる。庭園側でやっているカット体験のほうは有料で、事前予約制になっている。
- 知っておきたいこと
- 休みは毎週月曜と第3日曜。月曜が祝日なら翌日にずれる。機器の整備などで臨時に休むこともあり、運営側も来る前に確かめるよう案内している。
- 別ルート
- 車なら鹿児島中央駅から約20分。駐車場は隣の磯工芸館と共用だ。JR日豊本線の仙巌園駅も同じ海沿いの道に面しているが、当てにする前に時刻表を見ておきたい。
- 降りたあと
- バス停とJRの駅は、国道10号沿いの同じ場所、庭園の正門の前にまとまっている。そこから同じ歩道を西へ2分ほど。白い洋館が目印で、工場はその隣にある。
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