鎌倉東・祇園山No.098★地図で見る →
東勝寺跡と腹切りやぐら
柵に囲われた斜面と、崖に穿たれたやぐら——1333年、最後の北条得宗と870余人の家臣が自刃した地。宣伝されることなく、静かに残る国の史跡。

鎌倉中心部の東・小町の丘に、鎌倉幕府の実権を握った北条氏の菩提寺・東勝寺の跡がある。1333年、新田義貞の軍が鎌倉へ攻め入ると、最後の得宗・北条高時は一門とともにここへ退き、寺に火が放たれた。記録では870余人が自害したと伝わる。跡地から少し上った崖には「腹切りやぐら」と呼ばれる横穴の墓があり、高時が自刃した場所と伝える。現在、跡地は柵で囲われた静かな斜面で、やぐら自体も立ち入りが閉ざされている。街の喧騒がほとんど届かない、そっけないほど静かな場所だ。
なぜ穴場のままか
英語の案内がほとんどなく、鎌倉駅裏で寺めぐりの周遊からも外れ、崖のやぐらは安全のためロープで封じられている。だから観光客より、歴史に関心のある散策者だけが訪れ、静かなままだ。
歴史・背景
東勝寺は13世紀中頃、第3代執権・北条泰時が創建した北条氏の菩提寺のひとつ。1333年の焼失は、一世紀以上続いた鎌倉幕府と北条得宗家の終焉を意味した。北条氏の氏寺跡であり幕府滅亡の地として、1998年7月31日に国の史跡に指定された。やぐらからは骨や骨壺の記録はなく、鎌倉内に自刃の地を主張する場所は他にもあるため、このやぐらの役割は伝承に拠る。
見どころ(歩く順)

- 東勝寺橋
- 1924年竣工のアーチ橋。谷への入口を示す
- 東勝寺跡
- 説明板の立つ柵で囲われた草地の斜面。北条氏の菩提寺があった場所
- 腹切りやぐら
- 跡地から約100m上の崖のやぐら。現在はロープで立ち入り不可
- 祇園山の谷
- 小町の丘の木立に包まれた谷。鎌倉の景観のひとつ
おすすめの楽しみ方
鎌倉中心部から徒歩で、1924年建造の東勝寺橋を渡って静かな谷へ入る。写真スポットとしてでなく、歴史の重みを受け止める史跡として。柵越しに跡地を、道から閉ざされたやぐらを眺める。ここから祇園山ハイキングコースで八雲神社方面へ足を伸ばすこともできる。
実際の行き方
- 東京駅→鎌倉駅(JR横須賀線・直通・約60分)。
- 鎌倉駅東口→東勝寺橋(徒歩・約12分)。
- 東勝寺橋→柵の跡地と崖のやぐら(上り・徒歩約8分)。
- JR横須賀線+徒歩20分
- 東京駅→(JR横須賀線・直通・乗換なし・約60分)→鎌倉駅。東口から内陸へ、東勝寺橋を渡って谷を上り、徒歩約20分で跡地。計 約80分。電車は10〜15分間隔なので、出発前に次の発車を確認。
- 帰り
- 鎌倉から東京へ戻るJR横須賀線は終日10〜15分間隔で運行し、終電を気にする必要はない。ただし斜面に照明はないので、日暮れ前に下りたい。
行く前に
- 現金
- 拝観料も設備もない。水は自分で持参を。電車用にICカードか小銭を用意。
- 定休
- 墓所であり崖も脆い。やぐらはロープで封じられ立ち入り不可。柵の外から、静かに。
- 別ルート
- 跡地から祇園山ハイキングコース(尾根の山道・八雲神社方向へ約30分)につなげられる。
- 降りたあと
- 鎌倉駅東口から裏路地を内陸へ、東勝寺橋を渡って舗装路を上る。柵の跡地まで計 徒歩約20分。