奈良東部・月ヶ瀬No.056地図で見る →

月ヶ瀬梅林

nature穴場——実はすごい

紅白約一万本の梅が奈良市東部の五月川沿いに続く梅の名所。染料の媒染剤を採る古い梅畑で、1922(大正11)年に国の名勝に指定された。

月ヶ瀬梅林
実写(ライセンス済み)Bakkai at Japanese Wikipedia / CC BY 3.0

月ヶ瀬梅渓の梅の畝が、設計された庭園ではなく川の蛇行と傾斜地に沿って伸びているのは、ここの梅がもともと観賞用でなく、産業の作物として育てられてきたからだ。十五世紀ごろから、実を燻して作る烏梅(うばい)が紅花染めの媒染剤として栽培され、江戸時代(1603〜1868年)に需要が頂点を迎えた。明治以降に化学染料が普及すると烏梅の商いは衰え、今もこれを作り続けるのは月ヶ瀬の一軒だけとなっている。花の見頃はおよそ二月中旬から三月末、約三千本の桜が四月初旬まで季節を引き継ぐ。

なぜ穴場のままか

英語の情報がほとんどなく、奈良の主な観光導線からも外れている。奈良からの直通バスは約80分で、しかも多くは三月の梅まつりの数週間しか走らないため、たどり着く旅行者はほとんどいない。

歴史・背景

この渓谷は1922(大正11)年、日本でも最初期に国の名勝へ指定された。梅林には俳人・芭蕉の句とされる石碑が立つが、芭蕉が実際に訪れた確かな証拠は残っていない。梅の規模は烏梅の取引が生み出したもので、江戸時代を通じて使える斜面と川岸に植え続けられた結果だ。

見どころ(歩く順)

月ヶ瀬の梅Bakkai at Japanese Wikipedia / CC BY 3.0
川沿いの梅の遊歩道
主な梅の群生が続く、五月川沿いの渓谷の小道
約一万本の梅
谷の両岸を彩る紅白の梅、二月中旬〜三月末が見頃
烏梅の染色遺産
紅花からとる赤い染料を定着させた燻製の梅。今も一軒が製造を続ける
梅まつり
二月〜三月の梅祭り。茶店や梅の名物が並ぶ

おすすめの楽しみ方

花の見頃は二月中旬から三月末、桜が色をつなぐ四月初旬まで楽しめる。五月川沿いの遊歩道を歩きながら梅を味わうのがいちばんだ。奈良駅からの直通バスは三月の最盛期だけ運行するため、当日の時刻表を確認してから出発すること。約3kmの川沿いの道に見どころが続き、まつりの期間は茶店も開く。

実際の行き方

起点
奈良駅
所要
約80分 · バス少なめ
降車
尾山 バス停
  1. JR奈良駅または近鉄奈良駅 → 尾山バス停(奈良交通バス・尾山行き・約80分)。
  2. 時期を外すとき: 奈良 → 加茂駅(JR関西本線・約30分)。
  3. 加茂駅 → 月ヶ瀬口駅(JR関西本線・約10分)、そこから三重交通バス(約20分)。
  4. 尾山バス停 → 川沿いの梅の道(川へ下って約10分)。
奈良交通バス(直通)
JR奈良駅または近鉄奈良駅 →(奈良交通バス・尾山または梅の郷月ヶ瀬温泉行き・約80分)→ 尾山バス停。この直通バスは主に三月の梅まつりの期間だけ運行し、本数も1日数本と少ない。出発前に当日の時刻表を必ず確認。時期を外すときは電車で(帰りの案内を参照)。
同じ経路で戻る
尾山バス停から奈良駅方面へ奈良交通バスで戻る。この付近のバスは本数が少なく夕方で終わるので、着いたらまず帰りの時刻を停留所の掲示で確認しておく。
現在地からの経路を開く(Google マップ)↗

行く前に

現金
この地域の路線バスは現金のみのことが多いので、念のため小銭とお札を用意しておく。
定休
梅は現役の梅園の敷地に立っているので、川沿いの整備された遊歩道を外れない。
別ルート
梅まつりの時期以外は電車が確実。JR関西本線で奈良から加茂駅で乗り換え、月ヶ瀬口駅へ(約40分)、そこから三重交通バス(約20分)。バスが少ないときは月ヶ瀬口駅からのタクシーが頼りになる。
降りたあと
尾山バス停から川へ向かって少し下り、渓谷沿いの梅の道へ。舗装路を約10分。

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