奈良・奈良公園No.398★★★地図で見る →

若草山

nature王道を、いちばんいい形で

奈良公園の東端にある、全山が芝生に覆われた三重の丘。三笠山とも呼ばれる。山頂からは大仏殿と奈良盆地が一望でき、毎年1月には山焼きが行われる。

若草山
実写(ライセンス済み)Christophe95 / CC BY-SA 4.0

若草山は奈良公園のすぐ背後に立ち上がっていて、森ではなく麓から頂まで芝生に覆われている。それがこの山を特別にしている点だ——登っているあいだ、視界を遮るものが一切ない。山は三段のはっきりした段でできていて、日本語では一重目・二重目・三重目と呼ばれる。多くの人が一重目で「着いた」と思って止まるが、頂上は三重目だ。古い呼び名の三笠山は、菅の笠を三つ重ねたようなこの形に由来する。公園の鹿が斜面で草を食んでいるので、登りはたいてい鹿と一緒になる。頂上からの眺めは奈良盆地の全体に及ぶ——真下に東大寺大仏殿、古都の甍、そして向こう側に生駒の山並み。全国的に最も知られているのは1月の山焼きで、日が落ちてから芝の斜面全体に火が入れられ、街の上で山が燃える。そして奈良公園の他のほとんどと違い、若草山は通年開いていない。冬のあいだ閉山し、春に開く。

歴史・背景

別称の三笠山は「菅笠を三つ重ねた形」を指し、古都を詠んだ古典の歌にも現れる。全山の芝は自然のものではなく維持されたもので、毎年1月の山焼きこそがそれを保っている行事だ。山焼きの起源は、寺社間の境界争いの解決、害虫駆除、草地の管理など諸説あるが、現在は花火を伴う正式な神事として営まれている。冬季の閉山期間は芝の再生を守るためのもので、この山にだけ開山日と閉山日がある理由もそこにある。

見どころ(歩く順)

三重目の山頂
多くの人が止まってしまう二つの偽の頂の、さらに上。ここで初めて奈良盆地が全部開ける
上から見る東大寺
大仏殿を真上かつ背後から見下ろす。奈良の他のどの展望地からも得られない角度だ
芝の斜面そのもの
麓から頂まで樹木のない草地。鹿が草を食み、どこにでも座れるだけ開けている
鶯塚古墳
山頂の段にある前方後円墳。古墳と気づかないまま通り過ぎてしまいやすい

おすすめの楽しみ方

奈良公園の一日の最初ではなく、最後に登るのがいい。東大寺、春日大社、そして最後にこの山に上がって両方を振り返る。入口から山頂までは無理のない速さで30〜40分、芝の上を歩ける靴以外に装備は要らない。入山料が少額かかり、開山期間がある——冬は閉まって春に開くので、一日の中心に据えるなら事前確認を。光がいちばんいいのは午後遅く、その時間ならまだ鹿も斜面にいる。登りが難しければ、反対側から新若草山ドライブウェイで山頂近くの駐車場まで上がれる。

実際の行き方

起点
京都駅
所要
約50分 · 奈良公園から徒歩
降車
近鉄奈良駅
  1. 京都駅→近鉄奈良駅(近鉄京都線特急・約35分)。
  2. 駅→奈良公園を東へ、東大寺の前を通って→若草山入山ゲート(徒歩・約20〜25分)。
  3. ゲート→一重目→二重目→三重目の山頂(徒歩・約30〜40分)。
京都駅→近鉄奈良駅→奈良公園を歩く
京都駅から近鉄京都線の特急で近鉄奈良駅まで約35分。駅から東へ奈良公園を東大寺の前を通って歩き、20〜25分ほど。二月堂の参道の先、公園の東の端に若草山の入山ゲートがある。
若草山→近鉄奈良駅→京都駅
公園を抜けて近鉄奈良駅まで徒歩約25分、往路を逆にたどる。歩き疲れたなら、公園北側の道を走る市内循環バスで駅方面へ戻れる。
現在地からの経路を開く(Google マップ)↗

行く前に

現金
ゲートで少額の入山料がかかり、現金払い。奈良公園そのものと東大寺の外域は無料。近鉄と市内バスはICカードが使える。
定休
冬季は閉山し、開山期間中も入山できる時間が決まっている。奈良公園の主要スポットで「そもそも閉まっている」ことがある唯一の場所なので、奈良市観光協会のサイトで事前確認を。斜面で鹿に餌をやらないこと。雨の後の芝はよく滑る。
別ルート
JR奈良駅は徒歩でさらに西へ10分ほど。市内バスはどちらの駅からも東大寺・春日大社方面へ出ている。東側からは新若草山ドライブウェイで山頂近くの駐車場まで車で上がれる。
降りたあと
近鉄奈良駅から東へ奈良公園を進み、東大寺を過ぎ二月堂の下を通る。開けた芝の斜面のふもとに入山ゲートがある。

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