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和歌山の中華そば

food穴場——実はすごい

和歌山市では、いわゆるラーメンを「中華そば」と呼ぶ。豚骨醤油の二系統に、待つ間に自由に食べる卓上の早すし——自己申告で精算する静かな信頼の文化だ。

和歌山の中華そば
実写(ライセンス済み)Sakumata / CC0

和歌山市では、他地域でラーメンと呼ばれる一杯を「中華そば」として出す。スープは豚骨と醤油が基本。二系統が並び立ち、旧市電の車庫前に並んだ戦後の屋台にルーツを持つ澄んだ醤油寄りの「車庫前系」と、こってりした豚骨醤油の「井出系」がある。地元の看板はどちらも「中華そば」だ。静かに印象的なのは卓上そのもの——早すし(酢で締めた鯖の押し寿司)とゆで卵が卓に置かれ、丼ができるまでの間に自由につまみ、会計時に食べた数を自己申告する。

なぜ穴場のままか

一軒の隠れ店ではなく市街ぐるみの食文化なので、行くこと自体は簡単だ。海外にあまり知られていないのは、早すしを伴う卓上の自己申告システム。英語での説明がほとんどなく、地元では「みんな知っている前提」で扱われている。

歴史・背景

昭和期(1926〜1989年)、和歌山駅に近い市電の車庫前に集まった屋台から育った。車庫の前「車庫前」は特に賑わい、屋台の数も多かった。草分けの「丸高」は1940年創業で、当初は鰹節やじゃこの醤油出汁を使い、豚骨は戦後に加わった。1953年創業の「井出商店」は1998年の全国放送ラーメン番組で日本一に輝き、全国的な「和歌山ラーメン」ブームの火付け役とされる。車庫前系・井出系の呼び名は東京近郊の新横浜ラーメン博物館を通じて広まった。

見どころ(歩く順)

和歌山の中華そばSakumata / CC0
「中華そば」の看板
地元ではこの呼び名で注文する。「ラーメン」表記の店は少ない
記録に残る二系統
澄んだ「車庫前系」の醤油スープと、こってりした「井出系」の豚骨醤油
卓上の早すし
酢で締めた鯖の押し寿司。丼を待つ間、卓上から自由につまめる
自己申告の精算
食べたゆで卵と早すしの数は、自分の言葉で会計時に申告する

おすすめの楽しみ方

老舗の卓に座り、丼を待つ間に早すしとゆで卵をつまみ、会計では食べた分を自分で伝える。地元の呼び名「中華そば」で注文するのも、この土地ならではの体験だ。

実際の行き方

起点
大阪駅
所要
約90分 · 電車(本数多い)
降車
和歌山駅(JR)
  1. 大阪駅→和歌山駅(JR紀州路快速・直通・約90分/後ろ4両に乗車)。
  2. 速い有料の選択肢=新大阪・大阪→和歌山(特急くろしお・約60分・座席指定)。
  3. 和歌山駅から旧市電の車庫前方面へ徒歩または短距離タクシー。
  4. 看板の「中華そば」を目印に。「ラーメン」表記は探さない。
JR大阪環状線・阪和線で和歌山駅へ
大阪駅→(JR紀州路快速・直通・約90分)→和歌山駅。この列車は途中の日根野駅で切り離されるため、和歌山行きの後ろ4両に乗る。計 約90分、約15分間隔。速い有料の選択肢=新大阪・大阪発の特急「くろしお」なら和歌山まで約60分(座席指定が必要・約1時間に1本)。
大阪への帰り
和歌山から大阪へ戻るJR紀州路快速は夕方も本数が多く、日中なら終電の心配は少ない。とはいえ、着いたらホームの時刻表で帰りの時刻を確認しておくと安心。
現在地からの経路を開く(Google マップ)↗

行く前に

現金
古いラーメン店は現金のみ・英語メニューなしの店が多いので現金を用意。移動の鉄道はICカード(ICOCA/Suica)で問題ない。
定休
有名店には水曜休みの店が複数あり、昼過ぎに売り切れ閉店する店もあるので、早めの時間に行くとよい。各店の営業時間を事前に確認すること。
別ルート
難波から南海本線で「和歌山市駅」へ行く経路もある(特急サザンで約65分)。JR和歌山駅とは別の駅だが、同じ市内中心部に出る。
降りたあと
JR和歌山駅から中華そばの中心エリアへは、旧市電の車庫前方面へ徒歩または短距離タクシー。目当ての店は店員に尋ねるか地図アプリで確認を。

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