三重・志摩・英虞湾No.347★★地図で見る →
横山展望台
三重県志摩市の横山にある標高約140mの展望デッキ群。伊勢志摩国立公園に含まれる英虞湾のリアス海岸と、点在する島々を見下ろす。

英虞湾はリアス海岸だ。河谷が海面の上昇で沈んでできた地形で、だからこそ水が幾筋も内陸深くまで入り込み、その中に木の茂った小島がいくつも残っている。海面の高さからでは、この形はまったく読み取れない。標高約140mの横山の展望デッキに立つと、それが一度に像を結ぶ。入り江、島、島と島のあいだの細い水路、そして穏やかな水面に並ぶ真珠筏の四角い格子。展望台は2018年に改修・拡張され、英虞湾テラス、パノラマデッキ、そして眺めに向かって座席を配した横山天空カフェテラスが連なる構成になった。山の麓には環境省の横山ビジターセンターがあり、国立公園の展示と歩道の起点になっている。カフェ以外はすべて無料。
なぜ穴場のままか
伊勢志摩には国内客が安定して訪れるが、伊勢神宮から先で外国人の割合は一気に落ちる。横山はさらに、賢島のホテル集積からもう一歩外に出た位置にある。この眺めは国立公園を代表する一枚でありながら、平日ならデッキを独り占めできることも珍しくない。
歴史・背景
英虞湾の地形は沈水した河谷が作ったもので、その結果生まれた穏やかな内湾が日本の真珠養殖発祥の地となった。デッキから見える筏は、今も続くその産業の姿である。一帯は1946年指定の伊勢志摩国立公園に含まれる。横山の展望台は2018年に改修・拡張され、カフェテラスと尾根沿いに連なる複数の展望地点が整備された。2016年に湾口の賢島で主要国首脳会議(G7伊勢志摩サミット)が開かれ、この地域の国際的な認知度は大きく上がった。
見どころ(歩く順)

- 英虞湾テラス
- 中心となる展望デッキ。入り江と島々が最も広く見渡せる
- 真珠筏
- 穏やかな水面に並ぶ四角い格子。この湾を有名にした真珠養殖の現役の設備
- 横山天空カフェテラス
- 眺めに向けて座席を配したカフェのデッキ。主展望台の下、尾根に組み込まれている
- 横山ビジターセンター
- 山麓にある環境省の施設。無料で、国立公園の展示と遊歩道の起点がある
おすすめの楽しみ方
鵜方駅から往復し、デッキで過ごす時間を含めて約2時間。日没の1時間ほど前に着くのが良い。低い光が島と島のあいだの水路を浮かび上がらせ、太陽が岬の背後に落ちるにつれて湾が銅色に変わる。最初のデッキで止まらず、連なる展望地点のあいだを歩いてみること。角度が変わるだけの価値はあり、余分にかかるのは10分ほどだ。冬の晴れた朝には、入り江に雲海が広がることもある。一つ先の賢島に遊覧船とホテルの大半が集まっているので、この地域での宿泊は組みやすい。
実際の行き方
- 近鉄名古屋駅→鵜方駅(近鉄特急・賢島方面・約2時間/特急券必要)。
- 鵜方駅→横山ビジターセンター(タクシー・約10分)。
- ビジターセンター→展望デッキ(舗装遊歩道を徒歩10〜15分)。
- 名古屋駅から鵜方駅へ、そこからタクシー(近鉄特急)
- 近鉄名古屋駅から賢島方面の特急に乗り、志摩市の中心駅である鵜方駅まで約2時間。運賃のほかに特急券が必要。鵜方駅からタクシーで約10分、山麓の横山ビジターセンターへ。センターから舗装された遊歩道を10〜15分登ると展望デッキに着く。
- タクシーで鵜方駅へ戻り特急で
- ビジターセンターまで歩いて下り、タクシーで鵜方駅へ。そこから近鉄特急で名古屋・大阪方面へ戻る。ビジターセンターにタクシーは常駐していないので、登る前に時間を決めて迎えを頼んでおくこと。尾根の電波は使えるが頼り切らないほうがよい。日没まで滞在するなら、登る前に帰りの手配を済ませておく。
行く前に
- 現金
- 展望台とビジターセンターは無料。料金がかかるのはカフェテラスのみ。タクシーは現金のほかカードも使えることが多いが、乗車時に確認を。近鉄特急は運賃と別に特急券が必要で、駅で購入する。
- 定休
- デッキは屋外で、尾根の上には風雨をしのぐ場所がない。カフェは営業時間が決まっていて日没よりかなり早く閉まるため、夕景まで残るなら飲み物を持参する。ビジターセンターからの遊歩道は舗装されているが、ずっと登りが続く。
- 別ルート
- 普通列車なら鵜方の隣の志摩横山駅が登り口にあたり、そこから徒歩約40分の登りで展望デッキへ。特急は志摩横山に停まらないので、この経路は普通列車が必要。湾のホテル・遊覧船の拠点である賢島は鵜方の一つ先。
- 降りたあと
- 鵜方駅からタクシーで約10分、横山ビジターセンターへ。展望デッキへの案内標識のある遊歩道は、センターの建物脇から始まる。