京都北部・宮津No.268★★★地図で見る →

天橋立

〜宮津湾を渡る松の砂州〜

nature王道を、いちばんいい形で

京都府北部の宮津湾に約3.6km延びる、松に覆われた天然の砂州。日本三景のひとつに数えられるが、他の名勝と違って端から端まで自分の足で歩いて渡れる。

天橋立
実写(ライセンス済み)663highland / CC BY 2.5

天橋立があるのは京都府の日本海側、いわゆる「海の京都」で、京都を訪れる人の大半が知らないもう一つの京都だ。砂州は宮津湾の口を横切って約3.6km延び、幅は場所によって細く、左右どちらにも海が見える区間もある。宮城の松島、広島の宮島と並ぶ日本三景のひとつで、この三つの組み合わせは長く日本人の景観観そのものを形づくってきた。定番の見方は南北どちらかの高台の展望所から眺めることで、その名物が「股のぞき」だ。前かがみになって股の間から逆さに覗くと、松の帯が空に浮かんで天に架かる橋のように見える——それが「天橋立」という名の意味そのものになる。北側の傘松公園から見る姿は昇龍観、南側の天橋立ビューランドから見る姿は飛龍観と呼ばれる。そして二つの展望所の間にある砂州そのものは、日帰り客の多くが素通りする区間でありながら、実はこの場所のいちばん良い半分だ。

歴史・背景

「天橋立」の名は丹後国風土記に記された国生みの伝承に由来する。伊邪那岐命が地上へ通うために架けた梯子が倒れて砂州になった、というものだ。地学的には、宮津湾の口に働く沿岸流が数千年かけて土砂を積もらせてできた砂嘴である。日本三景という括りは、江戸前期の儒学者・林鵞峰が松島・宮島とともに挙げた記述に始まり、以後の名所図会や浮世絵によって繰り返し定着した。南側の入口に立つ智恩寺は古くから砂州のたもとにあり、文殊堂は学業成就を願う参拝で知られる。

見どころ(歩く順)

実写(ライセンス済み)lumoplank / CC0
砂州を歩いて渡る
松の下を通る平坦な道が3.6km続く。徒歩で約50分、レンタサイクルなら約20分。左右に海を見ながら進める
傘松公園(北側展望所)
北端からケーブルカーまたはリフトで上がる。砂州が天に架かる橋に見える「股のぞき」の本家がここ
天橋立ビューランド(南側展望所)
駅側の山上にあり、リフトかモノレールで登る。砂州が龍の飛ぶ姿に見える飛龍観の展望所
智恩寺と廻旋橋
南の入口に立つ寺と、その脇の廻旋橋。船を通すために橋がその場で回転する

おすすめの楽しみ方

往復ではなく周回で組むのがいい。行きは砂州を徒歩かレンタサイクルで渡り、帰りは観光船で湾を横切って戻る(約12分)。展望所は南北の両方に上がると印象がまるで違う。半日でひと通り回れて、丸一日あればさらに北へバスで約1時間、舟屋の集落・伊根まで足を延ばせる。夏休みを外した平日は目に見えて静かで、小雨の日の松並木もむしろ趣がある。

実際の行き方

起点
京都駅
所要
約2時間10分 · 特急(直通)
降車
天橋立駅(京都丹後鉄道)
  1. 京都駅→天橋立駅(特急はしだて・直通・約2時間10分)。
  2. 駅→智恩寺→廻旋橋→砂州の南端(徒歩・約5分)。
  3. 砂州を徒歩(約50分)またはレンタサイクル(約20分)で横断し、北端からケーブルカーかリフトで傘松公園へ。
  4. 帰りは観光船で湾を横切って南側へ戻る(約12分)。
京都駅→天橋立駅(特急はしだて・直通)
京都駅から特急「はしだて」に乗ると、JR線から京都丹後鉄道へ直通して天橋立駅まで約2時間10分。1日数本しかないので、出発前に必ず時刻を確認しておく。砂州の南端までは駅から徒歩約5分。
天橋立駅→京都駅
同じ特急で京都へ戻る。本数が少ないため、砂州を歩き始める前に帰りの列車を決めておくこと。乗り遅れた場合は福知山乗り換えの普通列車でも戻れるが、所要時間はかなり長くなる。
現在地からの経路を開く(Google マップ)↗

行く前に

現金
ICカードに頼らず、JRの窓口で通しの乗車券を買っておくのが確実。京都丹後鉄道は別会社の路線で、IC対応が一律ではない。ケーブルカー・リフト・観光船・レンタサイクルはいずれも現地精算なので、現金を用意しておく。目安の料金は、傘松公園のケーブルカー・リフトが大人往復¥800・小児¥400、観光船が大人片道¥800・往復¥1,300、南側のビューランドがリフト/モノレール往復と入園で約¥1,000。
定休
砂州の道は公道で時間の制限なく通れるが、ケーブルカー・リフト・観光船・レンタサイクルはいずれも日中のみの運行。渡る前に最終便の時刻を確かめておかないと、向こう岸で足がなくなる。冬に行くなら傘松公園でもう一点だけ確認がいる。リフトは3/1〜11/30が毎日運行、12月〜1月上旬は10:00開始、1/6〜2月は土日祝のみの運行になる。並走するケーブルカーは通年動いていて、3〜10月は9:00〜18:00、冬期は終了が早まる——つまり冬でも問題なく上がれるが、リフト当てにせずケーブルカーで行くのが確実。
別ルート
大阪からは特急「こうのとり」で福知山乗り換え、約2時間40分。京都・大阪からの高速バスもある。
降りたあと
天橋立駅は砂州の南側の入口にあたる。海の方へ歩き、智恩寺と廻旋橋を過ぎて約5分で砂州の起点に着く。

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