東京・台東区・上野〜御徒町No.282★地図で見る →
アメ横
〜戦後の闇市が残る上野の商店街〜
上野駅と御徒町駅のあいだ約500m、高架沿いと高架下に約400店がひしめく商店街。1945年以降にこの場所へ自然発生した闇市を起源とし、今も鮮魚・乾物・菓子・香辛料・化粧品が売り声とともに並ぶ。

アメ横は台東区、上野駅と御徒町駅のあいだ約500mを、高架沿いと高架下の両方にまたがって延びる。その細長い帯に約400店が詰まっている。始まりは1945年、物資の欠乏した都市で高架下に自然発生した闇市だった。名の由来には二説あり、どちらも今も語り継がれている——占領軍が砂糖を統制したため甘味を求める人が押し寄せ、数百軒の飴屋が並んだことから「飴屋横丁(アメヤ横丁)」になったという説と、同じ露店で扱われたアメリカ軍の放出物資を指すという説だ。残ったのは商品ではなく商いの作法のほうで、鮮魚・海産物、乾物、ナッツや菓子、香辛料、化粧品、スポーツ用品や鞄が、声を張って値を出す売り手の手で売られている。
なぜ穴場のままか
訪日客の動線は上野公園と博物館へ引かれていて、角をひとつ曲がらないまま帰ることが多い。市場は同じ駅から同じ5分の距離にあり、しかもより希少なものだ——保存された町並みではなく、闇市が決めた配置のまま合理化されずに機能し続けている町並みである。
歴史・背景
1945年の終戦直後、上野〜御徒町の高架下に非公式の市が立った。朝4時頃から、警官が見回りに来る7時頃までのあいだに商いが行われていたという。上野駅は北へ向かう幹線の終着駅であり、地方からの物と人が都市へ流れ込む結節点だった——市がほかでもなくここに根づいたのはそのためだ。戦後の数十年をかけて正規の商店街として整えられていったが、この時期に定まった物理的な形はついに変わらなかった。狭く、場所によっては線路そのものが屋根になり、余分な間口が一切ない。国土交通省の多言語解説文データベースも、闇市の起源をこの通りの中心的な歴史として扱っている。
見どころ

- 高架下の区間
- 線路のアーチの真下で商いが続く一帯。頭上を電車が通過していく
- 鮮魚・海産物の店
- 通りで最もにぎやかな一角。売り声が飛び、その場でさばいて売る
- 乾物・ナッツ・菓子
- この通りの名の由来になった商い。今も量り売りで並ぶ
- 香辛料・輸入食材の店
- 古い市場の中に育った、南アジア・東南アジア系の強い存在感
- 立ち飲みと食べ歩き
- ケバブ、焼き海鮮、安い立ち飲み屋が店と店のすき間に挟まっている
おすすめの楽しみ方
歩くだけなら1時間、食べ歩きを入れて2時間。多くの店はおおむね10:00〜20:00だが幅が広く、7時頃から開ける店も、21時過ぎまで営業する店もある——通り全体が確実に生きているのは夕方から宵の口だ。御徒町から上野へ向かって歩けば、そのまま上野公園に抜けられて半日の行程になる。値段が声で出され、値切りが文化として成立している点は日本では珍しく、何も買わなくても体験する価値がある。12月の最終週はこの通り最大の見せ場で、正月の食材を求めて街ごと集まってくる——壮観だが、肩がぶつかる。
実際の行き方
- 東京駅→御徒町駅(JR山手線・京浜東北線・約7分)。
- 北口を出てすぐ市場の入口。高架下を上野方面へ約500m歩く。
- 上野駅側に抜けたら、そのまま上野公園へ入れば半日の行程になる。
- 東京駅→御徒町または上野(JR山手線)
- 東京駅→(JR山手線・内回り/秋葉原・上野方面、または京浜東北線・約5〜7分)→御徒町駅または上野駅。御徒町駅なら北口を出てすぐ通りの入口、上野駅からは広小路口を出て南へ徒歩約3分。電車は終日数分間隔。
- 帰りは通りのどちらの端からでも
- 通りの両端に駅があるので、歩き終えたほうから帰ればよい。上野・御徒町はJR山手線・京浜東北線、上野御徒町は東京メトロ日比谷線、上野広小路は銀座線。都心の電車は0時前後まで走っているので、帰りの計画は不要。
行く前に
- 現金
- 現金を持っていくこと。小さな個人商店が多く現金のみの店が目立ち、値段は表示ではなく口頭で出されることも多い——値切りが成立する点は、日本のほかの場所とは違う。大型のディスカウント店やチェーンはカード・IC決済に対応しているが、露店では当てにしないほうがよい。
- 定休
- 店の営業時間はおおむね10:00〜20:00だが、7時頃から開ける店も21時以降まで営業する店もあり、定休日も店ごと。12月最終週は正月の食材を買う客で異常な混雑になる。
- 別ルート
- 東京メトロ日比谷線の上野御徒町駅、銀座線の上野広小路駅も同じブロックに出るので、東京駅方面ではなく銀座・六本木・浅草から来る場合はこちらが早い。
- 降りたあと
- 御徒町駅の北口を出れば、道を渡ってすぐが市場の入口。上野駅からは南側の広小路口を出て、高架を左手に見ながら徒歩約3分。