和歌山・九度山No.065地図で見る →

町石道

〜慈尊院から歩く高野山への表参道〜

history穴場——実はすごい

和歌山県九度山町の慈尊院を起点に、五輪塔形の石標が点々と続く高野山への巡礼の徒歩道。2004年ユネスコ世界遺産登録。

町石道
実写(ライセンス済み)KENPEI / CC BY-SA 3.0

山上への鉄道ができるずっと前、参詣者は町石道を歩いて高野山を目指した。紀の川の谷から山上の寺町まで約22キロを登るこの道には、五輪塔(仏教の供養塔)の形をした石の道標「町石」が約109メートル間隔で立ち、残りの距離がひと目で分かる仕組みだ。起点は九度山の慈尊院で、壇上伽藍まで続く180本の町石はここから数え始める。下部を歩くだけでも、この巡礼路が本来どのようなものだったかが伝わる。

なぜ穴場のままか

多くの人は電車で高野山まで上り、麓は見ないので起点は静かなまま。慈尊院は英語情報が少なく、観光の主導線からも外れ、世界遺産の道を歩く人だけが知る。

歴史・背景

慈尊院は816年、真言宗を開いた僧・空海(774〜835年、弘法大師)が創建した。女人禁制が続いた高野山に、空海の母は入れず晩年をこの寺で過ごしたとされ、町名「九度山」は空海が母に会うため山を幾度も下ったという伝承に由来する。現在並ぶ180本の町石の8割以上は鎌倉時代(12世紀末〜14世紀初頭)のもので、それ以前の木製の道標の後継だ。2004年、慈尊院と参詣道はユネスコ世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部に登録された。

見どころ(歩く順)

慈尊院の多宝塔KENPEI / CC BY-SA 3.0
慈尊院
空海が創建した川辺の起点。母や女人信仰にゆかりが深い
町石
壇上伽藍まで約109メートル間隔で立つ五輪塔形の石標、全180本
杉林の登り道
九度山の上から古い杉林を抜けて山へと続く参詣路
世界遺産の道
2004年登録「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部

おすすめの楽しみ方

九度山駅から舗装された道を約20〜25分歩いて慈尊院へ向かい、番号のふられた町石を追って杉林の中を登る。下部を歩くだけでも道の意図は十分に伝わり、高野山までの通し歩きは準備を整えた人向けの一日がかりの行程だ。町を離れると売店がほぼないため、水は持参を。

実際の行き方

起点
難波(大阪)
所要
約2時間 · 電車+徒歩
降車
九度山駅(南海)
  1. 難波(大阪)から橋本駅へ(南海高野線の急行、約50〜70分)。
  2. 橋本から九度山駅へ(極楽橋方面の各駅停車、約15〜20分)。
  3. 九度山駅から慈尊院へ(町なかを徒歩、約20〜25分)。
  4. 慈尊院から、番号つきの町石をたどって上りはじめる。
南海高野線+徒歩
難波(大阪)から南海高野線の急行で高野山方面へ向かい、橋本駅で極楽橋行きの各駅停車に乗り換えて九度山駅で降りる(合計およそ90〜100分)。そこから町なかを約20〜25分歩くと、道の起点である慈尊院に着く。急行区間は20〜30分間隔で走るが、橋本から先の各駅停車は本数が少ないので、乗り換え前に次の発車を確認しておく。
電車で戻る
帰りも同じ経路で、九度山駅から難波方面へ電車で戻る。橋本〜極楽橋間の各駅停車は本線より本数が少ないので、九度山に着いたらまず駅で帰りの時刻を確認しておく。
現在地からの経路を開く(Google マップ)↗

行く前に

現金
水と小銭を持っておく。町を離れて尾根に入ると、道沿いには店がほとんど、または全くない。
定休
通しで歩くと本格的な山道(約21〜23キロ、6〜7時間)。早発ちして、折り返し地点をあらかじめ決めておく。
別ルート
手軽に味わうなら、慈尊院から最初の数本の町石まで往復するだけでもよい。
降りたあと
九度山駅から慈尊院までは、舗装された道を町なかに沿って約20〜25分の徒歩。ここから町石の数え始めとなる。

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