東京圏・神奈川県藤沢市片瀬No.354★★地図で見る →

新江ノ島水族館

nature穴場——実はすごい

神奈川県藤沢市片瀬海岸、相模湾に面して建つ水族館。展示の中心は湾そのものの生きもので、数千尾のマイワシが泳ぐ大水槽、深海コーナー、ドーム状のクラゲの間、そして海と江の島を背にしたイルカのショーが並ぶ。

新江ノ島水族館
実写(ライセンス済み)Nesnad / CC BY 4.0

湘南の海岸から少し沖へ出ると、相模湾の底は一気に落ち込む。この地形こそが、ここを日本でも有数に生物相の豊かな海にしている——浅瀬の生態系と深海の生態系が、数キロと離れずに並んでいるからだ。新江ノ島水族館は2004年に現在の姿となり、その湾に正対する片瀬海岸に建つ。展示の骨格も湾そのものだ。中心にある相模湾大水槽では、数千尾のマイワシの群れが光の変化に合わせて一斉に向きを変える。別に設けられた深海のコーナーには、湾の深みから採取された生きものが、この海を舞台としてきた日本の有人潜水調査の資料とともに並ぶ。そしてもう一つの目当てがクラゲの間だ。暗いドーム状の空間に円筒形の水槽が内側から光り、天井には映像が流れる。屋外のイルカスタジアムは海側に開いていて、演目の背景に本物の相模湾と、江の島の輪郭が入ってくる。

なぜ穴場のままか

たいていの水族館は「ここではないどこか」を語る。熱帯、極海、行ったことのない海。この館が語るのは、正面玄関から見えている水だ。深いがゆえに豊かな相模湾があり、館の成り立ちはこの海岸で積み重ねられてきた海洋生物学とつながっている。だから展示と窓の外が同じ主題になる——言葉にすると当たり前に聞こえるが、実際にはめったにないことだ。

歴史・背景

この湘南海岸に水族館が建ったのは1950年代のことで、現在の建物は2004年の開館である。扱う主題は偶然ではない。相模湾は日本の海洋生物学に長い歴史を持つ海で、昭和天皇がこの海域で行った研究と、そこで集められた標本は、この地域の科学史の一部になっている。またこの湾は日本の有人潜水調査の実働の場でもあり、館の深海展示はその蓄積を映している。

見どころ(歩く順)

実写(ライセンス済み)Syced / CC0
相模湾大水槽
数千尾のマイワシが一つの塊のように動く縦長の水槽。照明は外の湾の条件をなぞって一日のうちで移り変わる。周囲を歩き回るより、数分その場に立ち止まったほうがいい。この展示の本体は群れが向きを変える瞬間で、それは向こうの都合でやってくる。
クラゲファンタジーホール
暗いドーム状の空間に円筒形の水槽が内側から光り、天井に映像が流れる。歩いて通り抜ける場所ではなく、座るための場所として設計されている。実際に椅子があり、5分以上留まった人はたいてい、そのままずっと長く留まる。
深海コーナー
相模湾の深みから採られた生きものが、日本の有人潜水調査の資料とともに並ぶ。生体と、そこへ到達するための工学が同じ場所に置かれている——ここが一般的な深海展示と決定的に違う点だ。
海に開いたイルカスタジアム
プールは湾に向いていて、背景には本物の相模湾と江の島が入る。晴れた日は北西に富士山も見える。眺めを取るなら右側の上段。前列は水しぶきを浴びられるが、水平線は視界から消える。

おすすめの楽しみ方

掲示されている当日のスケジュールに合わせて予定を組みたい。イルカの回と飼育員のトークは1日に何度かあり、当てられるかどうかで満足度が大きく変わる。屋外スタジアムの光がいちばんいいのは午後遅く、江の島の向こうに陽が落ちていく時間帯だ。空気の澄む冬の晴天なら、水平線に富士山が出る確率も上がる。海岸は道を渡ればすぐなので、片瀬海岸の散歩と江の島への渡りを自然につなげられる。ただし三つとも丁寧にやると、半日ではなく一日仕事になる。週末と学校の長期休みは混む。平日は同じ場所とは思えないほど静かだ。

実際の行き方

起点
新宿駅
所要
約70分 · 電車 頻発
降車
片瀬江ノ島駅(小田急江ノ島線)
  1. 新宿駅→片瀬江ノ島駅(小田急江ノ島線・約65分/直通特急または藤沢で1回乗換)。
  2. 片瀬江ノ島駅→海岸沿いの道(橋を渡って徒歩約2分)。
  3. 海岸沿いの道→水族館入口(徒歩約1分・平坦)。
小田急江ノ島線で片瀬江ノ島へ
新宿駅→(小田急江ノ島線・特急えのしま号、または藤沢乗換で約65分)→片瀬江ノ島駅→海岸沿いの道を徒歩約3分で水族館。計約70分。運行本数は多い。直通の特急は座席指定料金が別途必要だが、藤沢で1回乗り換える通常ルートなら不要。
帰りは片瀬江ノ島駅から
小田急線で藤沢・新宿方面へ。夜遅くまで頻発している。夕方のイルカの回まで見るなら、着いたときに直通特急の最終時刻を確認しておくとよい。それ以降は藤沢乗換になる。
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行く前に

現金
入館料が必要。2回行けば元が取れる年間パスポートもある。カード・IC決済に対応。海岸沿いの売店や屋台は現金のみのことが多い。
定休
通年営業で、営業時間は季節により変動(夏は長く冬は短い)。メンテナンス休館が入ることもある。イルカのショーや飼育員のトークの時刻は日ごとに決まり、入口と公式サイト(enosui.com)に掲示される。
別ルート
江ノ電・江ノ島駅から徒歩約10分。大船からの湘南モノレール・湘南江の島駅からも徒歩約10分で、鎌倉と組み合わせる日ならこちらが便利。
降りたあと
片瀬江ノ島駅から境川の橋を渡り、海岸沿いの道を右へ。水族館はその道の陸側、徒歩約3分。道中は完全に平坦。

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