群馬・沼田/尾瀬の入口No.359★★地図で見る →
吹割の滝
群馬県沼田市、片品川が自らの岩床に走った裂け目へ流れ込む高さ約7メートル・幅約30メートルの滝。およそ一万年の浸食が割れ目を広げた。遊歩道の周遊は約1時間。

日本の名瀑はたいてい同じ構造をしている。川が崖の縁に達し、そこから落ち、人は下から見上げる。吹割の滝はその逆だ。片品川は平らな火山岩の一枚岩の上を流れていて、その岩に一本の亀裂が走っている。およそ一万年をかけて水がその亀裂を削り広げ、深くし、いまや川の流れ全体が横を向いてそこへ注ぎ込む。落差は約7メートル、幅は約30メートル——そのすべてが、立っている地面より下で起きている。地元での通称は「東洋のナイアガラ」だが、規模は誇張しすぎで、奇妙さは言い足りていない。足元の岩棚は川床そのものだ。濡れて、磨かれて、裂け目に向かってわずかに傾いており、水側に手すりはない。遊歩道は滝の先も渓谷沿いに続き、展望台や小さな堂を含む十五の地点を経て「十二様」の展望地へ至る。全部歩いておよそ1時間。
なぜ穴場のままか
滝が目的で来るが、足元こそが留まる理由になる。ここは展望デッキではない。一万年かけて川が削り続けてきた磨かれた岩の床の上に立っていて、亀裂がどう伸びていくのかが見て取れる距離だ。だからこそ慎重さが要る——道が狭くなる区間があり、岩は濡れると滑り、冬季は全面閉鎖になる。
歴史・背景
ここの岩盤は火山岩で、裂け目はその岩に走った断裂を片品川が見つけて広げたものだ。沼田市はその浸食におよそ一万年という時間を挙げている——幅は約30メートル、落差は約7メートルに達した。国の天然記念物に指定され、日本の滝百選にも選ばれている。渓谷沿いの遊歩道は番号のついた十五の地点をたどり、展望台や小さな堂を経て「十二様」の展望地で終わる。
見どころ(歩く順)

- 裂け目そのもの
- 川がまるごと吸い込まれていく亀裂。すぐ脇の川床の岩棚から、下からではなく同じ高さで見る
- 磨かれた岩の床
- 歩いている平らな火山岩の一枚岩。川に削られて滑らかになっており、濡れると滑る。水側に柵はない
- 十二様までの渓谷道
- 片品川の渓谷沿いに番号のついた十五の地点。展望台と小さな堂を経て十二様の展望地へ
- 国道120号沿いの売店
- 滝の上の道路沿いに並ぶ地元の食事処と土産物店。本数の少ないバスの合間に食事をとる現実的な場所
おすすめの楽しみ方
滝だけ見て帰らず、周遊路を一周すること——1時間はその渓谷歩きに使われ、上の展望台から振り返る眺めのほうが、真上に立つより地形の成り立ちがよく分かる。靴はグリップの効くものを。川床の岩棚は磨かれた石で、濡れていると本当に滑る。鎌田行きのバスは1日数本なので、帰りの発車時刻を軸に一日を組み立て、早いバスに間に合わせる賭けはせず、バス停脇の店で食事をとるほうが確実だ。出発当日の朝に沼田市の通行止め情報を確認しておくこと。
実際の行き方
- 東京駅 → 高崎(上越・北陸新幹線・約50分)。
- 高崎 → 沼田駅(JR上越線・約45分)。
- 沼田駅 → 吹割の滝バス停(関越交通バス 鎌田行き・約45分。1日数本のみ)。
- 国道120号から川床へ下り、案内に沿って滝の先まで周遊(全部で約1時間)。
- 新幹線+JR+路線バス
- 東京駅→(上越・北陸新幹線・約50分)→高崎→(JR上越線・約45分)→沼田駅→(関越交通バス 鎌田行き・約45分)→吹割の滝バス停。計 約3時間。鎌田行きは尾瀬方面のバスで1日に数本しかない——沼田に着いてからではなく、東京を出る前に当日の時刻表を確認しておくこと。
- 同じバスで沼田駅へ戻る
- 沼田駅方面の便も同じ吹割の滝バス停に停まり、やはり本数は少ない。川へ降りる前にバス停の時刻表で帰りの発車時刻を控え、余裕を見ておくこと——周遊はおよそ1時間だが、岩の上では思ったより歩みが遅くなる。
行く前に
- 現金
- 滝も遊歩道も入場料はかからない。ただし入口の道路沿いに並ぶ売店や食事処は地元の小さな店なので、食事・土産・駐車場代のためにカードを当てにせず現金を持っていきたい。
- 定休
- 川沿いの遊歩道は例年12月中旬〜3月下旬が冬季閉鎖。これとは別に、山側でのクマの出没により一部区間が通行止めになることがある——沼田市が公式サイトで現在の通行止めを告知しているので、出発当日の朝に確認しておくとよい。岩棚には水側の柵がない。表示された線より内側を歩き、雨のあとは本当に滑ると考えておくこと。
- 別ルート
- 車なら関越自動車道・沼田ICから国道120号を約20分、入口の売店前に有料駐車場がある。東京からではなく日光方面から来る場合は、国道120号が金精峠を越えて反対側から滝に着く。
- 降りたあと
- 吹割の滝バス停は国道120号沿い、土産物店と食事処が並ぶ一角にある。そこから案内表示に従って数分下ると川床に出る。