栃木西部・奥日光No.270★地図で見る →
中禅寺湖
奥日光の標高1,269mにある火山湖。約2万年前に男体山の溶岩が谷をせき止めて生まれ、周囲約25km・最大水深163m。遊覧船が就航し、湖畔には旧大使館別荘が残る。

およそ2万年前、男体山の噴火で流れ出た溶岩が日光の西の谷をせき止めた。そこに水が溜まってできたのが中禅寺湖である。標高1,269m、周囲約25km、最深部は163mに達する。日光の街からバスがいろは坂の急なつづら折りを延々と登らなければ届かないのは、この高さのためだ。明治後期から昭和初期にかけて、平地の暑さを逃れる外国人たちがこの湖畔を避暑地として選び、大使館の別荘が水辺に建ち並んだ。その建物は今も記念公園として残る。湖の北東には男体山がそびえ、その麓の二荒山神社中宮祠が、湖を生んだ山への登拝口となっている。
なぜ穴場のままか
日光を訪れる人の多くは東照宮で引き返すが、いろは坂の上に広がるのはまったく別の風景だ。標高が生む涼しさと、寺社の門前町ではなく「国際的な避暑地」として発展した独特の歴史が重なっている。
歴史・背景
この湖はひとつの地質イベントの産物だ。約2万年前、男体山の噴火で流れ出た溶岩が谷を塞ぎ、その背後に水が溜まった。歴史の大半において、この一帯は男体山を対象とする山岳信仰の圏内にあり、山麓の二荒山神社中宮祠が登拝者の入口として機能してきた。湖畔の性格が変わるのは明治後期からで、東京に駐在する外国人や外交官たちが平地の暑さを避けてこの湖を夏の拠点に選び、水辺に別荘を建て始める。英国大使館別荘は記念公園として保存・公開されており、当時の国際的な避暑地の室内と湖の眺めをそのまま伝えている。
見どころ

- 男体山を背にした湖
- 湖を生んだ火山が北東岸から直接立ち上がる。この構図が中禅寺湖そのもので、空気の澄んだ朝がいちばん美しい
- 中禅寺湖遊覧船
- バスターミナル近くの桟橋から発着し、歩いては行けない対岸の岸辺を回る。紅葉期には季節限定の航路も設定される
- 英国大使館別荘記念公園
- 湖畔に復元された英国公使の夏の別荘。東京の外交官たちをここまで引き寄せた室内と湖の眺めが残る
- 二荒山神社中宮祠
- 男体山の麓に鎮座する中宮祠。ここが火山への登拝口になっている
おすすめの楽しみ方
年に2度の見どころは初夏のツツジと秋の紅葉で、どちらも狙って行く価値がある。ただし紅葉の週末はいろは坂が長い車列になるので、可能なら平日に。半日なら遊覧船+湖畔散策で大使館別荘まで、というのがちょうどよい。一日使えるなら、湖の水が流れ落ちる華厳ノ滝(バスターミナルから徒歩圏)を加えるとよい。真夏はこの標高そのものが目的になる——下界とは別の気候がここにある。
実際の行き方
- 東京→日光(JR日光線・宇都宮乗換/または東武日光線・浅草発)。
- 日光駅→中禅寺温泉(東武バス 中禅寺温泉・湯元温泉行き、いろは坂経由、約50分)。
- 中禅寺温泉バスターミナル→湖畔(徒歩約5分)。
- 日光まで電車、そこからいろは坂をバスで登る
- JR日光駅または東武日光駅(両駅は隣接)まで来て、駅前のバス停から中禅寺温泉行き・湯元温泉行きのバスに乗る。いろは坂のつづら折りを登って約50分、終点の中禅寺温泉で下車。湖畔までは徒歩約5分。登りは進行方向右側に座ると谷の眺めがよい。
- 帰りも中禅寺温泉からバスで日光駅へ
- 中禅寺温泉バスターミナルから日光駅方面のバスが日中は随時運行(約50分)。ただし紅葉期の週末はいろは坂が激しく渋滞し、時刻表どおりには戻れない。その時期は早めに湖を離れること。
行く前に
- 現金
- バスはICカードが使える。日光〜中禅寺〜湯元のバス区間をカバーするフリーパスが駅で販売されており、華厳ノ滝や湯元と組み合わせるなら元が取れる。湖畔の散策自体は無料で、遊覧船と大使館別荘記念公園はそれぞれ別料金。
- 定休
- 標高1,269mで、下の日光の街よりはっきり気温が低い。夏でも羽織るものを一枚。冬は道路にチェーン規制や通行止めがかかることがあり、湖畔の施設にも冬季休業があるため、12〜3月に行くなら事前確認を。
- 別ルート
- 車なら清滝ICから約20分。ただしいろは坂は登り・下りで別ルートの一方通行で、紅葉期は激しく渋滞する。その時期はバスのほうが早いことが多い。
- 降りたあと
- 中禅寺温泉バスターミナルから水辺の方向へ下って徒歩約5分。湖畔の遊歩道と遊覧船乗り場がそこにある。