東京・大田/池上No.363★★地図で見る →
池上本門寺
大田区、日蓮が一二八二年に入滅した地に建つ日蓮宗の大本山。慶長年間に建立された五重塔は関東最古とされ、国の重要文化財に指定されている。

日蓮——その教えが日本仏教の一大宗派となった僧は、一二八二年、旅の途上のこの地で入滅した。寺はその事実から育った。いまは日蓮宗の大本山であり、鎌倉時代に遡る法脈の中心として、大田区の丘の上、約三万坪の境内に伽藍を広げている。参道は九十六段の石段で、加藤清正の寄進と伝わる。この石段が訪問の枠組みを決めてしまう——ごく普通の住宅街から登り、上りきったところで伽藍が開ける。五重塔は慶長年間の建立で桃山様式、関東に現存する最古の五重塔だ。東京の近世以前の建築の多くが戦災で失われたことを思えば、この一点の重みがわかる。大堂は戦後の再建である。年に一度、十月半ばには日蓮の入滅を偲ぶお会式が営まれ、三千人ほどが灯りの入った万灯を担いで二キロの夜の行列をつくり、人出は三十万人に達する。
なぜ穴場のままか
東京で名の知られた寺は浅草寺と増上寺で、どちらも再建で、どちらも人が多い。池上本門寺には十七世紀初頭のままの五重塔があり、丘があり、三万坪の境内があり、そして普段はほとんど人がいない。五反田から二両編成の私鉄で十五分——そこも魅力の半分だ。行く道のりの時点で、すでに別の東京になっている。
歴史・背景
日蓮は一二八二年にこの地で入滅し、寺はその霊跡に開かれた。のちに日蓮宗の大本山となり、その法脈は鎌倉時代に遡る。五重塔は十七世紀初頭の慶長年間の建立で桃山様式、国の重要文化財に指定されており、関東に現存する五重塔としては最古とされる。大堂をはじめ伽藍の多くは戦災後の再建で、だからこそこの塔の存在が効いてくる。毎年十月のお会式は日蓮の入滅を偲ぶ法要で、この地で幾世紀にもわたって続けられてきた。
見どころ(歩く順)

- 九十六段の石段
- 加藤清正の寄進と伝わる参道の石段。住宅街から境内へと視界を持ち上げる
- 五重塔
- 十七世紀初頭・桃山様式。国の重要文化財で、関東に現存する最古の五重塔
- 大堂
- 石段を上がった正面に立つ本堂。戦後の再建で、いまも寺の中心として機能している
- 十月半ばのお会式
- 日蓮入滅を偲ぶ夜の法要。約三千人が万灯を担いで二キロを練り歩き、人出は三十万人近くに達する
おすすめの楽しみ方
タクシーではなく駅から歩くこと——古い商店街を抜けて九十六段を上るのが、この場所の本来の入り方で、五重塔は最初ではなく最後に見るほうがいい。境内は一時間半みておきたい。三万坪あり、山門から見た印象よりはるかに広い。四月初旬の桜は、静かな最盛期だ。この寺を最大音量で見たいなら十月半ばのお会式に行き、混雑もその一部として受け入れること。
実際の行き方
- 品川駅 → 五反田駅(JR山手線・約5分)。
- 五反田駅 → 池上駅(東急池上線・約20分)。
- 池上駅 → 山門(商店街を抜けて徒歩約10分)。
- 九十六段の石段を上って境内へ。そのまま五重塔まで足を延ばす。
- JR+東急池上線
- 品川駅→(JR山手線・約5分)→五反田駅→(東急池上線・約20分)→池上駅→山門まで徒歩約10分。計 約35分。池上線は短い路線で本数も多く、時刻表を組む必要はない。
- 同じ経路、または西馬込経由
- 池上駅から東急池上線で五反田へ戻るか、徒歩約12分の都営浅草線・西馬込駅から浅草・日本橋方面へ直通で戻る。宿の位置に合わせて帰りの駅を選べば乗り換えを一回減らせる。
行く前に
- 現金
- 境内も主要な堂宇も拝観無料で、入場ゲートもない。線香や志納、参道の店のために小銭を持っていきたい。寺のまわりは昔ながらの町並みで、現金を前提にしておくほうが安全だ。
- 定休
- 境内は日中開かれており、堂宇は一般的な寺院の時間で夕方に閉まる。日程で意識すべきは十月半ばのお会式だけだ——夜の万灯行列はこの寺が最も非日常になる日であり、最も混む日でもある。狙って行くか、意図して外すか、どちらかにしたい。
- 別ルート
- 羽田空港からのアクセスが良く、京急で蒲田へ出れば近い——旅の初日か最終日に組み込める。都営浅草線を使う場合、西馬込駅から境内まで徒歩約12分。
- 降りたあと
- 池上駅から静かな商店街を抜けて山門まで徒歩約10分、そこから九十六段の石段。石段を迂回する車道のルートもある。