東京南西部・目黒No.289★地図で見る →
目黒川の桜並木
目黒川沿いおよそ4キロに約800本の桜が続き、水面の上に花のトンネルをつくる。見頃は例年3月下旬〜4月上旬。

目黒川は、風光明媚な川ではない。大半の区間はコンクリートで固められた直線の水路で、住宅の密集する東京をただ機能的に流れていく。特別なのは、その護岸の上に植えられたものだ——目黒区内の約4キロに、約800本のソメイヨシノ。川幅が狭く、両岸から枝が内側へ張り出すため、桜は公園のように広がるのではなく、水面の上で天蓋を閉じる。日の出橋より下流は川幅が広がって遊歩道が整い、上流は木が水際まで詰めて立つ。都内でもっとも撮影される桜であり、4月初旬の川沿いは午前中から日が暮れたあとまで、肩がぶつかり続ける。
なぜ穴場のままか
誰もが知っている場所だ。そこが肝心なところで、朝7時前に来る人はほとんどいない。同じトンネルが無人で、光は枝の間からではなく水面を伝って差し、橋の真ん中に押しのけられずに立っていられる。
歴史・背景
目黒区内の区間だけで約4キロ、約800本のソメイヨシノ。効いているのは本数よりも水路の形だ。ここの川は狭く護岸されていて、木は水面の真上に二列で立つ。だから公園のような散らばった天蓋ではなく、頭上で枝が合わさる連続したアーチになる。日の出橋より下流では川幅が広がって遊歩道が主役になり、上流では木が水際まで詰める。ソメイヨシノは接ぎ木で殖やされた単一のクローンで、これだけの距離が一斉に咲いて一週間ほどで一斉に散るのはそのためだ。中目黒はこの同じ岸沿いにカフェとデザインの街として育ち、桜の一週間はいまや区の一年でいちばん忙しい行事になっている。
見どころ

- 中目黒より上流のトンネル
- 川幅がもっとも狭く、両岸の枝が水面の上で閉じる区間。
- 日の出橋から下流
- 川幅が広がり、遊歩道が並走する。同じ桜を、立ち止まれる余裕つきで。
- 橋の上からの視線
- 小さな橋のひとつひとつが、桜のトンネルをまっすぐ見通す。撮影者が詰まる理由。
- 中目黒の裏通り
- 同じ岸沿いに育ったカフェとブティックの街。水辺から一本入るだけ。
おすすめの楽しみ方
朝7時前に着くこと。トンネルは同じで、人だけがいない。低い光が枝の間を抜けるのではなく、水面を伝って差してくる。まず中目黒から上流へ歩いて枝の密な区間を見て、折り返して南東の目黒駅方向へ川を下る。下流は広く、静かで、終点が駅だ。桜の季節を外しても、東京有数のカフェ街を1時間歩くコースとしては悪くない——木が緑なだけである。
実際の行き方
- 東京駅→恵比寿駅(JR山手線・約22分)
- 恵比寿駅→中目黒駅(東京メトロ日比谷線・1駅・約2分)
- 中目黒駅→川沿い(徒歩約2分)
- 山手線で恵比寿、日比谷線で一駅
- 東京駅→(JR山手線・品川/渋谷方面、約22分)→恵比寿駅→(東京メトロ日比谷線・中目黒行、1駅・約2分)→中目黒駅→川まで徒歩約2分。合計およそ30分。
- 川を下って目黒駅へ抜ける
- 中目黒から川沿いに南東へ約1.5キロ歩くと、JR目黒駅(山手線)に出る。引き返すよりこちらがいい。下流は川幅が広く遊歩道も整っていて、中目黒の中心部よりはっきり空いている。
行く前に
- 現金
- 桜の時期は川沿いに臨時の飲食スタンドが並び、現金のみの店が多い。時期を外せば、中目黒のカフェや店は普通にカードが使える。
- 定休
- 岸には公衆トイレがほとんどなく、遊歩道は狭い。桜の時期、区は「道での宴会をしない」「撮影で橋をふさがない」「ごみは持ち帰る」よう呼びかけている。ここは公園ではなく、住宅街の道である。
- 別ルート
- 中目黒は東急東横線でも来られる。渋谷から3分なので、都心の西側にいるならこちらが最速。
- 降りたあと
- 中目黒駅から川方面の出口へ(案内表示あり)。水辺まで約200メートル。枝がもっとも密なのは上流=北西方向、目黒へ向かう広い遊歩道は下流=南東方向。