東京・表参道No.403★★★地図で見る →
表参道
〜ケヤキ並木のブランド通り〜
明治神宮から青山通りまで、ケヤキ並木が続く通り。いまは東京を代表するブランドストリートだが、名前は「表の参道」——神宮へ向かう正式な道として造られ、その並木が沿道の建物の高さを抑えている。

表参道を多くの人は買い物の通りとして読む。実際そのとおりで、名のある建築家の設計によるブランドの旗艦店が通り沿いに連なり、原宿側・青山側へ入る路地には面白い小さな店が集まっている。だがこの通りが存在するのは、その上端にある神宮のためだ。表参道とは「表の参道」であり、この道は明治神宮へ向かう正式な参道として敷かれた。だからこそ神宮の入口から青山通りまで矢のようにまっすぐ伸び、全区間にケヤキが植えられている。この並木こそが、この通りを都心のどこにも似ていない場所にしている。樹冠が空間の寸法を決めていて、ここでは建物の方が並木に譲る。北側の長い区間を占める表参道ヒルズ——安藤忠雄の設計——は、並木の稜線を断ち切らないよう地上部分を意図的に3階に抑えてある。残りは地下へ向かい、中央の吹き抜けを螺旋で巻き下りていく。その場所には1927年竣工の同潤会青山アパートが建っていた。取り壊しの際、東端の一棟が再現されて「同潤館」となり、いまも店舗として使われている。何かの店に入る前に、まず端から端まで一度歩いてほしい。この通りの主題は、坂と並木そのものだ。
歴史・背景
この通りは明治神宮への参道として造られ、その役割がそのまま名前になった。関東大震災後の復興住宅事業として1927年に竣工した同潤会青山アパートは、北側に八十年にわたって並び、近代東京の象徴的な建築として知られたのち再開発された。跡地に開業したのが2006年2月の表参道ヒルズで、設計は安藤忠雄。ケヤキの樹冠を保つため地上高を3階に抑え、同潤会アパートの一棟を再現して同潤館とした。建築の実験場としての性格は2000年代を通じて続き、国際的なブランドが著名建築家に旗艦店を設計させる流れが、この同じ区間に集中していく。
見どころ(歩く順)
- ケヤキの樹冠
- 神宮側から青山通りまで通りを規定する並木。高層の街にありながら低層に見えるのはこの木のせいだ
- 表参道ヒルズ
- 安藤忠雄の設計。地上はあえて3階までで、内部は螺旋で地下へ下りていく。東端に再現された同潤館が付く
- 旗艦建築の連なり
- 国際的な建築家によるブランド建築が集中する区間。通りそのものがファサードの野外展示になっている
- 明治神宮側の端
- 通りの上端。商業が途切れ、参道は本来送り届けるはずだった神宮の入口へ人を渡す
おすすめの楽しみ方
駅から上るのではなく、神宮側から下ってくること。森を抜けて出てくると、頭上で並木が閉じ、店は一度にではなく少しずつ現れる。しかもその順なら明治神宮が先になり、午前の行程としてはこちらが正しい。この街の性格は脇道にある——原宿側のキャットストリート、南側の青山へ入る路地。どちらも一円もかからない。11月下旬はケヤキが色づいて通りが最も良く、冬は日没後に並木が灯る。人混みが苦手なら週末の午後は外したい。都内でも屈指の歩行者密度になる。
実際の行き方
- 東京駅→赤坂見附(丸ノ内線)→表参道(銀座線)、約20分。
- または明治神宮前まで乗り、神宮側から通りを下って歩く。
- 明治神宮の入口→ケヤキ並木→表参道ヒルズと同潤館→青山通り。
- 東京駅→表参道駅(東京メトロ)
- 東京駅から丸ノ内線で赤坂見附、銀座線に乗り換えて表参道まで、合計およそ20分。駅の出口は青山通り側で通りに直接出る。通りを下って歩きたいなら、千代田線で明治神宮前(原宿)まで行き、神宮側から始めるとよい。
- 表参道駅→東京駅
- 銀座線・丸ノ内線で往路を逆にたどる。表参道は三路線が乗り入れるので、都内の大半へ乗り換えなしで出られる。通りの反対端のJR原宿駅からは山手線が使える。
行く前に
- 現金
- 通りを歩くこと自体は無料で、表参道ヒルズの入館も無料。店とカフェはカードとIC決済が当たり前に使える。脇道の小さな店用に現金を少し持っておくとよい。
- 定休
- 営業中の商店街なので閉まる時刻はないが、店舗はおおむね午前遅くから夕方まで、平日に定休日がある店もある。週末の午後は人出に対して歩道が狭い。個々の店内は撮影不可のことが多い。
- 別ルート
- 山手線ならJR原宿駅が通りの明治神宮側の端。千代田線・副都心線の明治神宮前駅も同じ角に出る。
- 降りたあと
- 表参道駅は青山通りとの交差点で通りに出る。青山通りを背にして北西へ向かえば、ケヤキ並木が明治神宮に向かって上っていく。