奈良・明日香村No.315★★地図で見る →

石舞台古墳

history穴場——実はすごい

奈良県明日香村にある国の特別史跡。7世紀初頭築造、総重量約2300トンの花崗岩で組まれた横穴式石室が封土を失って露出し、内部に入って見学できる。

石舞台古墳
実写(ライセンス済み)663highland / CC BY 2.5

日本の古墳はふつう、外から眺める緑の丘だ。石舞台はその逆をいく。長い歳月のどこかで覆いの土が失われ、墓の骨組みだけが野に残された——まるで途中で放り出された土木構造物のように。石室は7世紀初頭、総重量約2300トンの花崗岩で築かれ、そのかなりの部分を2枚の天井石が占める。短い羨道を下れば、中に入れる。内部の圧は写真では伝わらない種類の静かな物理量で、機械を一台も使わずに持ち上げられた岩の下に、自分が立っている。

なぜ穴場のままか

明日香は今も田畑の働く村で、遺跡のあいだに稲田が広がる。周遊バスは1時間に1本ほど——それだけで人は自然に散る。奈良市中心部のような混み方はしないし、バスとバスのあいだに着けば、数分だけ石室を独り占めできることもある。

歴史・背景

築造は7世紀初頭。古墳時代の終わりと飛鳥時代のはじまりが重なる時期で、この平野で朝廷と仏教と最初の中央集権国家が形をとりつつあった頃にあたる。覆っていた封土は早くに失われ、巨石の石室だけが残った——「石舞台」の名はその姿に由来する。国の特別史跡に指定され、国営飛鳥歴史公園の区域内にある。

見どころ(歩く順)

実写(ライセンス済み)663highland / CC BY 2.5
2枚の天井石
構造中最大の石材。この古墳が廃墟でなく土木構造物に見える理由がここにある
石室の内部
低い羨道から入る横穴式の石室。壁は加工した花崗岩を接着材なしで積み上げてある
周囲の芝生と濠の痕跡
もとの方形墳の輪郭が、巨石を囲むように地表に示されている
明日香の農村風景
四方に稲田と低い丘。この古墳が置かれたときと同じ地形が今も続く

おすすめの楽しみ方

石室では、団体が使う2分よりもう少し長く留まりたい。じっと立って目が慣れてくると、暗がりから石と石の継ぎ目が浮かび上がってくる。春の桜、秋の彼岸花はどちらも巨石をよく引き立てる。周遊バスは1時間に1本なので、時刻表を軸に予定を組むか、飛鳥駅でレンタサイクルを借りて村の他の遺跡と自分のペースでつなぐのがいい。

実際の行き方

起点
京都駅
所要
約2時間 · 電車+周遊バス(約1時間に1本)
降車
石舞台 バス停
  1. 京都駅→橿原神宮前駅(近鉄京都線 急行・約50分)。
  2. 橿原神宮前駅→飛鳥駅(近鉄吉野線・約4分)。
  3. 飛鳥駅→石舞台バス停(赤かめ周遊バス・約15分)。
  4. 徒歩2分で入口、羨道を下って石室へ。
飛鳥駅まで電車、そこから赤かめ周遊バス
京都駅→(近鉄京都線 急行・約50分)→橿原神宮前駅→(近鉄吉野線に乗換・約4分)→飛鳥駅→(赤かめ周遊バス 石舞台方面・約15分)→石舞台。計 約2時間。周遊バスは1時間に1本ほどで、昼どきや観光期外はさらに少ない——出発前に当日の時刻表を確認。
周遊バスで飛鳥駅へ戻る
石舞台から赤かめ周遊バスで飛鳥駅へ。吉野線で橿原神宮前まで出て、京都・大阪方面へ。バスは夕方で運行を終えるので、着いたら停留所で帰りの時刻を確認しておくこと。
現在地からの経路を開く(Google マップ)↗

行く前に

現金
入場は有料(数百円)。券売窓口はカード非対応のことがあるので現金を用意しておく。入口横に休憩所があり、トイレ・飲み物・軽食がそろう。
定休
閉園は夕方で、最終バスは思っているより早い。石室への羨道は天井が低く、雨のあとは足元が湿る。頭上と足元に注意を。
別ルート
飛鳥駅でレンタサイクルを借りれば石舞台まで約20分。明日香の遺跡は平坦な農地に点在するので、自転車ならバスの時刻から完全に自由になれる。
降りたあと
石舞台バス停は公園入口のすぐ横。芝生を横切って徒歩2分、道路からも巨石が見えている。

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