京都・東山七条No.385★★地図で見る →

京都国立博物館

culture穴場——実はすごい

京都ゆかりの文化財を収める国立博物館。1897年創立、2014年の谷口吉生設計・平成知新館で常設展示が入れ替わりながら公開される。

京都国立博物館
実写(ライセンス済み)663highland / CC BY-SA 4.0

京都の寺院は、安全に公開できない量の美術品を所有している。彫刻、掛軸、経典、漆工、染織——いずれも脆く、多くは季節限定でしか出せない。その相当量が寄託という形で行き着くのがこの博物館で、そこにほかの美術館にはない性格が生まれている。ひとりの収集家の趣味ではなく、街全体の宗教施設が積み上げた所蔵の総体だということだ。寄託を含めて約12,500件。常設展示は「名品ギャラリー」と呼ばれ、陶磁・考古・絵画・彫刻・書跡・染織・金工・漆工と分野ごとに入れ替わっていく。数ヶ月ごとに別の博物館になる、と言ってもいい。会場は2014年開館の平成知新館。谷口吉生の設計で、長い水平線と水盤からなる灰色の低い建物は、作品に主役を譲るために徹底して抑制されている。前庭を挟んで建つのが1895年のレンガ造の旧本館・明治古都館で、国の重要文化財だが耐震対応のため長く一般公開を休止しており、特別公開のときだけ開く。

なぜ穴場のままか

三十三間堂を目当てに来て、真向かいの博物館の門を素通りしていく人が多い。だが京都の寺院美術の相当部分が実際に寄託されているのはこちらで、寺が所有していながら安全に出せない品々を一度の午後でまとめて見られる建物はここしかない。18歳未満と70歳以上は観覧無料だが、これを知っている来訪者は少ない。

歴史・背景

創立は1897年(明治30年)、帝国京都博物館として。明治期に設けられた3つの国立博物館のひとつで、廃仏毀釈と幕藩体制の崩壊に伴う流出・散逸から宗教美術・宮廷美術を守ることが設立の動機だった。最初の建物を設計したのは片山東熊——赤坂離宮を手がけたのと同じ建築家で、七条通に面する赤レンガのフレンチ・ルネサンス様式の建物が今も残る。博物館の門の真向かいには、千体の観音像が並ぶ1266年再建の三十三間堂が建つ。歴史的には同じ寺域だった場所で、あいだのバス停の名は今も両者を併記している。

見どころ(歩く順)

実写(ライセンス済み)Chainwit. / CC BY 4.0
平成知新館
2014年開館、谷口吉生設計。灰色の長い水平線と水盤。作品の背後に消えるように設計されている
名品ギャラリーの入れ替え
常設展示は数ヶ月ごとに分野が入れ替わる。彫刻、絵画、陶磁、書跡、染織、漆工、金工が順に主役になる
明治古都館
1895年、片山東熊設計の赤レンガの旧本館。国の重要文化財だが耐震対応で通常は非公開、特別公開時のみ開く
前庭と彫刻
2棟のあいだの前庭にロダン「考える人」の鋳造と彫刻が置かれ、庭園のみ開館日でも歩ける

おすすめの楽しみ方

「2つで1組」として組むのがいい。三十三間堂は道を挟んだ真向かいで、両方回れば、彫刻をその堂で見たうえで京都の宗教美術全体の文脈を一度の午後で押さえられる。あいだのバス停が両方の名を併記しているのには理由がある。行く前に「いま何をやっているか」を必ず確認すること。名品ギャラリーは展示替えで閉まるし、特別展が館全体を占めて料金も変わる。名品ギャラリーの所要は2時間ほどをみておきたい。英語解説は主要作品では充実しているが、入れ替わる小品では薄くなる。

実際の行き方

起点
京都駅
所要
約15分 · 京阪+徒歩
降車
七条駅(京阪本線)
  1. 京都駅→東福寺(JR奈良線・約3分)→七条駅(京阪・1駅)。
  2. 七条通を東へ徒歩約7分で博物館の門。
  3. 平成知新館の名品ギャラリーを見て、道を渡って三十三間堂へ。
京都駅→京阪七条駅、そこから徒歩
京都駅 →(JR奈良線で東福寺・約3分、京阪本線に乗り換えて北へ1駅・約3分)→ 七条駅 → 七条通を東へ徒歩約7分で博物館の門。合計約15分。京都駅から市バス100系統・206系統・208系統で「博物館三十三間堂前」まで直行する手もあり、こちらは約10分。
七条駅へ戻る、またはバスで
七条通を西へ戻って京阪七条駅(徒歩7分)、そこから祇園四条へ出れば夜の東山に続けられる。博物館前のバス停から100・206・208系統で京都駅へ戻ることもできる。バスは日中頻発。
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行く前に

現金
名品ギャラリー(平常展示)は一般700円。高校生以下および満18歳未満、満70歳以上は無料。名品ギャラリーが休止し庭園のみ開いている期間は300円。特別展は別料金で、多くの場合かなり高くなる。チケット窓口はカード対応。
定休
月曜休館(祝日・休日の場合は開館し、翌火曜が休館)、年末年始も休館。展示替え期間は名品ギャラリー自体が閉まるため、これに引っかかる人が多い。出かける前に公式サイトで確認すること。明治古都館は通常は非公開。
別ルート
京都駅から市バス100・206・208系統で「博物館三十三間堂前」下車すぐ(約10分)。京都駅から七条通を東へ歩くと約25分。
降りたあと
京阪七条駅から七条通を東へ徒歩約7分。右手にレンガの門があり、向かいが三十三間堂。

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