京都東・東山No.278★地図で見る →
産寧坂と二年坂
〜清水寺へ続く石畳の道〜
京都・東山、清水寺の下に続く二本の石畳の坂道。江戸末期から大正にかけての町家が両側に並び、一帯は国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。

清水寺の下に広がる東山の斜面は、平安京よりも前から人の暮らす土地だった。そこに生まれた町は、碁盤の目ではなく参詣道の線に沿って形をとった。産寧坂は清水坂から北へ下る石段で、その先に石畳の緩やかな曲がりとして続くのが二年坂である。名の由来としてよく語られるのは、祈りの坂という解釈だ——「お産が寧か(やすらか)でありますように」と願って登る坂ゆえに産寧坂。これに「再念坂」とする別説が並び立つ。坂は南の清水寺と、坂の突き当たりに立つ法観寺の八坂の塔、さらに北の高台寺・円山公園・八坂神社を結んでいる。両側に並ぶのは江戸時代末期から大正にかけての町家群で、この一帯はまとめて1976年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。
なぜ穴場のままか
京都の旅程にはまず必ず入る坂であり、だからこそ、目の前にあるものの正体はほとんど意識されない。ここは保存計画に基づいて外観・軒線・看板まで規制のかかる地区である。1976年の選定時は約5.3ヘクタール、1996年に石塀小路が追加されて約8.2ヘクタールになった。その追加された一本を歩くか、あるいは店が開く前に歩くか——どちらかをすれば、この場所は撮影待ちの列であることをやめる。
歴史・背景
東山の斜面は平安京の造営以前から開けていた土地で、街路は都の碁盤の目ではなく、八坂神社や清水寺への参詣道に沿って形成された。現存する町家の多くは江戸時代末期から大正時代のもので、法観寺の八坂の塔や高台寺といった、より古い社寺建築と隣り合って建つ。この重なりが、この地区特有の奥行きを生んでいる。1976年、約5.3ヘクタールが「京都市産寧坂伝統的建造物群保存地区」として選定され、1996年に石塀小路地区が追加されて保存地区は約8.2ヘクタールに広がった。なお「三年坂で転ぶと三年以内に死ぬ」という俗説が古くから伝わるが、それがこの坂とどう結びついたのかは明らかになっていない。
見どころ

- 産寧坂(三年坂)
- 清水坂から北へ下る石段。地区のなかで最も急で、最も写真に撮られる区間
- 二年坂
- 産寧坂の下から続く石畳の緩やかな曲がり。道幅がやや広く、二階建ての町家が連なる
- 石塀小路
- 1996年に保存地区へ追加された石塀の細い路地。二本の坂より格段に静かで、たいてい見落とされる
おすすめの楽しみ方
行くなら8時前。店が開くのは10時頃で、そこから昼にかけて坂は一気に混む。夜明けの時間帯なら雨戸は閉まったままで、町家の正面・瓦の連なり・坂の突き当たりの塔が、背景ではなく建築として見える。二年坂から産寧坂へ上り、6時開門の清水寺まで行って、帰りは石塀小路と高台寺を抜けて祇園側へ下る。ゆっくり歩いて約2時間のこの一周で、写真に撮られる二本の坂だけでなく、保存地区の全体を歩いたことになる。
実際の行き方
- 京都駅→東山安井バス停(京都市バス・約20分)
- 東山安井→二年坂の下(徒歩・上り・約5分)
- 京都市バス+徒歩5分
- 京都駅バスターミナル→(京都市バス・東山方面・約20分)→東山安井バス停で下車→南東へゆるやかな上りを徒歩5分ほどで、右手に二年坂の入口。その先が産寧坂に続く。合計およそ25分。この路線はバスの本数こそ多いが午後は渋滞で遅れるため、時間に余裕を見るか、下記の代替ルートを使いたい。
- 坂を下って清水道・五条坂からバス
- 坂を下りきると清水道または五条坂のバス停に出る。どちらからも京都駅まで約20分。あるいは西へ徒歩15分の京阪・清水五条駅を使うと、夕方はバスより確実に速い。
行く前に
- 現金
- 坂そのものは終日無料で歩ける。並ぶのは小さな個人商店が中心なので、カードに頼らず現金を用意しておくと安心。坂の上の清水寺は別途拝観料が必要で、開門は6:00。
- 定休
- ここは人が現に暮らし商いを営む保存地区である。道は公道だが、格子の奥・坪庭・二階の窓は私的な生活の場だ。石畳から外れないこと。石段は長年踏まれて摩耗しており、雨の日はよく滑る。
- 別ルート
- 京阪・清水五条駅から坂を上って徒歩約15分。バスの行列を完全に回避できる。祇園側からなら高台寺を抜けて北から徒歩10分ほどで入れる。
- 降りたあと
- 東山安井から東へ上り、南寄りに進むと徒歩5分ほどで二年坂の下に着く。五条坂バス停(同じく徒歩5分)で降りれば清水坂の下に出るので、上から下る順路にしたい場合はこちら。