東京圏・山梨県青木ヶ原No.369★★地図で見る →

鳴沢氷穴・富岳風穴

nature穴場——実はすごい

富士山の溶岩流が作った二つの洞窟で、いずれも国の天然記念物。富岳風穴は横穴、鳴沢氷穴は氷柱の立つ竪穴で、内部は年間を通じて平均約3℃に保たれる。

鳴沢氷穴・富岳風穴
実写(ライセンス済み)Osumi Akari / CC BY-SA 4.0

864年、富士山の側火山・長尾山が噴火し、北へ流れ出した溶岩が古い地面を覆って固まった。それが今の青木ヶ原だ。流れの表面が殻になって冷え、その下でまだ溶けた岩が動き続けると、抜けたあとに管が残る——この二つの洞窟はそうしてできた。富岳風穴は横へ伸びる。天井の低い横穴で、玄武岩の壁が音をほとんど吸ってしまう。鳴沢氷穴は逆に落ちていく。狭い竪穴の周回路で、途中には腰を折らないと通れないほど天井の低い区間があり、夏でも氷柱が立っている。岩が内部を年間平均約3℃に保つため、この洞窟はただの珍しい穴ではなかった。機械式の冷蔵が普及する前、ここは蚕の卵や樹木の種子を貯蔵する天然の冷蔵庫として使われていて、その時代の木の棚が見学路の途中に残る。地上では二つの洞窟が1kmあまりの遊歩道でつながっていて、そこを歩くことが訪問のもう半分になる。土のほとんどない溶岩の林床で、木は下ではなく、むき出しの岩の上を横へ根を張っている。

なぜ穴場のままか

富士五湖を訪れる外国人はほぼ全員、山を「外から眺める」ために来て、その山が実際に作ったものの中には入らない。加えてこの洞窟は、ふだん時間の外にあるように見える風景に「864年の噴火」という具体的な年号を与えてくれる。山が見えない悪天候の日でも成立する、数少ない富士エリアの行き先でもある。

歴史・背景

二つの洞窟はいずれも、富士山北麓の側火山・長尾山による貞観噴火(864年)の溶岩流で形成された。同じ溶岩流が青木ヶ原の樹海を作り、麓にあった古い湖を今の複数の湖に分断したとされる。洞窟は20世紀に国の天然記念物に指定された。低温が一定に保たれることから、観光地になるはるか以前から実用に使われており、養蚕の時期を調整するための蚕種の貯蔵や、種子の貯蔵庫として機能していた。現在はどちらも有料の見学洞窟として整備され、順路と照明があり、入口でヘルメットが貸し出される。

見どころ(歩く順)

実写(ライセンス済み)Kounoichi / CC BY-SA 4.0
富岳風穴
横穴の方。全長約200mのトンネルで、玄武岩の壁が音を吸う。順路沿いに旧来の貯蔵棚が残る
鳴沢氷穴
竪穴の方。全長約150mの周回路で、氷柱が立ち、かがまないと通れない低い区間がある
青木ヶ原の遊歩道
二つの洞窟を結ぶ1kmあまりの道。溶岩の上を徒歩15〜20分で歩ける
溶岩の上に根を張る木
土のほとんどない岩の上に森が成立していて、根は下へ伸びず地表を横へ這う

おすすめの楽しみ方

二つとも入って、間は車やバスではなく歩くこと——この森の道が、たいてい飛ばされて、しかも洞窟の成り立ちを説明している部分だ。服装は3℃基準で。地上が何月であれ内部は冷たく濡れていて、床は平らではない。入口で渡されるヘルメットは必ずかぶること。実際に天井が低い区間がある。特に氷穴は、かがめない人・急な段差が難しい人には向かない。西湖や河口湖と組めば富士北麓で一日になる。

実際の行き方

起点
新宿駅
所要
約2時間30分 · 年間平均3℃
降車
富岳風穴バス停(河口湖周遊バス)
  1. 新宿(バスタ)→河口湖駅(富士急高速バス・約1時間45分)。
  2. 河口湖駅→富岳風穴(西湖方面の周遊バス・約30分)。
  3. 富岳風穴→鳴沢氷穴(青木ヶ原の遊歩道・徒歩15〜20分)。
  4. 鳴沢氷穴→河口湖駅(同じ周遊バス路線)。
河口湖へ出て、周遊バスに乗る
新宿(バスタ新宿)→(富士急 高速バス・約1時間45分)→河口湖駅。駅から西湖・青木ヶ原方面の周遊バス(グリーンライン)に乗り、富岳風穴まで約30分。鳴沢氷穴も同じ路線の少し先に停留所があるので、片道を歩き、片道をバスにできる。
同じバスで河口湖へ戻る
どちらの洞窟の停留所からでも周遊バスで河口湖駅へ戻り(約30分)、高速バスで新宿へ(約1時間45分)。または富士急行線で大月へ出てJR中央線に乗り継ぐ。この路線はバスの本数が多くない。着いたら停留所の時刻表を撮影して、最終の戻りを把握しておくこと。
現在地からの経路を開く(Google マップ)↗

行く前に

現金
洞窟は別々に入場料がかかり、両方まわるなら共通割引券が用意されていることが多い。洞窟の窓口はカード対応が限られるので現金を持つこと。周遊バスはICカードが使え、河口湖〜西湖方面のフリーパスの方が安く上がるのが普通。
定休
営業はおおむね9:00〜17:00で、冬季は短縮する。悪天候や整備で休業することがあるので事前に確認を。氷穴の氷は暖かい季節にいちばん大きくなる。床は濡れて凹凸があり天井も低いため、どちらもバリアフリーではない。大きな荷物は中で扱いづらい。
別ルート
車ならどちらも国道139号沿いで駐車場を備え、中央自動車道の河口湖インターから約15分。富士五湖側からは西湖が最寄りで、河口湖より近い。
降りたあと
富岳風穴のバス停は洞窟の駐車場と売店の前。氷穴への遊歩道も同じ場所から森へ入り、案内表示がある。青木ヶ原では表示された道から外れないこと。溶岩の地面は不安定で、森はすぐに方向感覚を奪う。

無料でアカウントを作る

気になった場所を保存して、
旅程を考えるときに開き直せます。

8文字以上