山梨東部・大月No.120★地図で見る →
八ツ沢発電所 第一号水路橋
大月・猿橋のそばに架かる、赤レンガの水門をもつ鉄筋コンクリート製の水路橋。日本初の大規模な調整池式水力発電施設の一部として、100年以上今も水を運ぶ。

水路橋とは、道路ではなく水を運ぶための橋だ。名橋・猿橋のすぐそばで、八ツ沢の発電用水路が桂川そのものを越えるために架けられたのがこの橋である。延長約64メートルの鉄筋コンクリート造で、両端の水門には赤レンガが使われている。観光のための飾りではなく、桂川沿いの発電所へ今も水を送る水路システムの生きた一部だ。明治の産業遺産に関心があるなら、静かに見応えのある現役の遺構といえる。
なぜ穴場のままか
景勝地ではなく土木構造物で、英語の情報がほとんどない。猿橋まで来た人の多くも、そのすぐ下に歴史的な水路橋があると気づかない。
歴史・背景
東京電燈株式会社(現・東京電力の前身)が第二水力電気事業として建設した八ツ沢発電所は、明治45年(1912年)に竣工し、当時は東洋一の規模を誇った。取水口・隧道・水路橋・大野調整池を含む全長約14kmの施設は大正3年(1914年)に完成。2005年、施設全体が国の重要文化財に指定された。
見どころ(歩く順)

- 猿橋
- 日本三奇橋のひとつで、水路橋のすぐ上に架かる
- 鉄筋コンクリートの大支間
- 延長約64m・幅約5mの初期の大支間コンクリート橋
- 赤レンガの水門
- 橋の両端の水門を縁取るレンガ造り
- 現役の発電用水路
- 桂川沿いの発電所へ水を送り続ける、生きた水路の一部
おすすめの楽しみ方
水路橋は猿橋のすぐ下に位置し、猿橋のたもとから見渡せる。猿橋は日本三奇橋のひとつで、その真下に水路橋がある——両方をひとつの立ち寄りで味わえる。見学は外からのみ(東京電力の管理施設につき内部非公開)。100年以上役目を果たし続ける土木構造物を、産業遺産の寄り道として楽しみたい。
実際の行き方
- 新宿→大月(JR中央線 特急かいじ・あずさ、約1時間)。
- 大月→猿橋(JR中央線 普通列車、約5分)。
- 猿橋駅→猿橋のたもとまで徒歩(約15分)。
- 猿橋のそばから水路橋を見物(外からの見物のみ)。
- JR中央線で猿橋へ(大月乗換)
- 新宿→(JR中央線 特急かいじ・あずさ、約1時間)→大月→(JR中央線 普通列車、約5分)→猿橋。計 約1時間15分+乗換の待ち時間。特急は小さな猿橋駅には停まらないため、大月で普通列車に乗り換える。新宿から普通列車のみで通しで行くこともできる(約1時間30分・乗換なし)。
- 大月経由で帰る
- 猿橋から普通列車で一駅先の大月へ戻り、特急または普通列車で新宿へ。日中は運行があるが夕方は本数が減るので、着いたら猿橋駅で帰りの時刻を確認しておくとよい。
行く前に
- 現金
- 水路橋の見物は無料。駅はICカードか現金が使える。
- 定休
- 現役の水路であり事業者の敷地。見学は外からの見物のみ・構造物に登らない。
- 別ルート
- すぐそばの猿橋(日本三奇橋のひとつ)と組み合わせて。
- 降りたあと
- 猿橋駅から猿橋のたもとまで徒歩約15分。そこから下に水路橋が見える。