東京北・駒込/文京No.301★地図で見る →
六義園
駒込にある1695年造営の大名庭園。園内の景は和歌に詠まれた八十八の名所を写したもの——入園300円、山手線から徒歩7分。

六義園は文京区駒込にあり、小石川後楽園とともに「江戸の二大庭園」に数えられる。造ったのは、5代将軍・徳川綱吉に仕えた側用人の柳澤吉保。元禄8年(1695年)に着手し、完成まで七年をかけた。形式は回遊式築山泉水庭園——中の島を持つ大きな池を樹林が取り囲む造りだが、この庭を組み立てている思想は風景ではなく文学のほうにある。吉保は和歌を深く学んだ人で、古典に詠まれた八十八の名所を園内に写し取った。その多くは紀州・和歌の浦、いまの和歌山の景である。「六義」という名も、古典の詩論が説く六つの歌の分類に由来する。国の特別名勝に指定されている。
なぜ穴場のままか
東京の江戸庭園で外国人客の目が向くのは、小石川後楽園と浜離宮がほとんど。六義園は「文学として造られた庭」で、築山も入江も、それぞれが和歌に詠まれた地名の代わりに置かれている。そして二つのライトアップ期を外せば、山手線から徒歩7分とは思えないほど静かだ。
歴史・背景
柳澤家の手を離れたあと、この庭は江戸期の持ち主を経て、1878年に三菱の創業者・岩崎彌太郎のものとなった。岩崎家は別邸として使い、荒れていた部分を大きく手直ししている。1938年、岩崎家から東京市へ寄贈され、同年に一般公開が始まった。1953年には文化財保護法のもとで特別名勝に指定される。現在の管理は東京都公園協会。春のしだれ桜と秋の紅葉、この二つのライトアップが、いまではこの庭を最も知られたものにしている。
見どころ

- 内庭大門のしだれ桜
- 一本の大きなシダレザクラ。都内の桜より早く咲き、時季には夜間ライトアップされる
- 大泉水
- 中の島を持つ中心の池。回遊路はすべてこの池を軸に組まれている
- 藤代峠
- 園内の築山。池と庭全体の構図が一度に読める、ただ一つの高み
- つつじ茶屋
- ツツジの木材で建てられた茶屋。関東大震災も戦災もくぐり抜けて残った
- 吹上茶屋
- 池のほとりの休み処。抹茶と和菓子をいただける
- 渡月橋
- 二枚の大きな石を渡した橋。名は古典の和歌に由来する
おすすめの楽しみ方
一周は1時間、抹茶で足を止めるなら2時間。正門から池を回り、藤代峠には早めに登っておくといい。庭の構図が頭に入った状態で残りを歩ける。見せ場は3月下旬のしだれ桜と11月下旬の紅葉。どちらも期間限定のライトアップがあり、長い列ができる——平日を選ぶか、いっそ何もない季節に来て庭をほぼ独り占めするか、どちらかだ。
実際の行き方
- 東京駅 → 駒込駅(JR山手線・約15分)
- 駒込駅 → 六義園 正門(南へ徒歩約7分)
- 正門 → 大泉水 → 藤代峠 → 吹上茶屋で抹茶
- 東京駅 →(山手線)→ 駒込駅 → 徒歩約7分
- 東京駅 →(JR山手線 上野・池袋方面/約15分)→ 駒込駅 → 南へ徒歩約7分で正門。計 約22分。電車は数分おき。東京メトロ南北線も駒込に停まる(2番出口)。
- 駒込駅から山手線または南北線で
- 駒込駅まで歩き、JR山手線か東京メトロ南北線で戻る。どちらも深夜近くまで動いているので、終電を気にする必要はない。
行く前に
- 現金
- 入園料は一般300円、65歳以上150円。小学生以下、および都内在住・在学の中学生は無料(2026年時点。東京都公園協会の公式サイトで確認を)。吹上茶屋の抹茶は別料金。両路線とも交通系ICカード対応。
- 定休
- 開園9:00〜17:00、最終入園16:30。12/29〜1/1は休園。春・秋のライトアップ期間は開園時間が延長され、事前の時間指定券が必要になることが多い。
- 別ルート
- 駒込駅寄りの北側にある染井門は、桜と紅葉の時季のみ開く。それ以外は正門から入ること。
- 降りたあと
- 駒込駅の南口を出て、大通り沿いに徒歩約7分。六義園の正門へ。