京都北西・奥嵯峨No.009★地図で見る →
嵯峨鳥居本
〜嵐山の奥に続く愛宕参道〜
愛宕街道の旧道に沿って約600メートル続く重要伝統的建造物群保存地区。茅葺きの農家と格子の町家が軒を連ねる。

嵯峨鳥居本は、京都中心部の北西にある嵯峨野の奥まった場所に位置する。愛宕山上の愛宕神社へ向かう参詣者が通った旧道・愛宕街道沿いにあり、1979年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。約600メートルの街道は、道の中ほどに立つ化野念仏寺を境に表情が変わる。上手には茅葺き屋根の農家風の建物が、下手には格子のある瓦葺き二階の町家が続く。観光向けに整えられた演出ではなく、門前町として積み重ねてきた暮らしの記録としてここに残っている。
なぜ穴場のままか
嵐山のいちばん奥、有名な竹林や渡月橋から徒歩25〜30分ほど先にあるため、日帰り客の多くは手前で引き返す。英語の観光情報も少なく、家々は観光用の演出ではなく今も人が暮らす普通の住まいなので、静けさが保たれている。
歴史・背景
集落の開かれたのは室町末期(1400〜1500年代)ごろ、農林業や漁業を営む村としてのことと伝わる。江戸中期(1700年代)には愛宕神社への参詣者を迎える門前町としての性格が加わり、茶屋や町家が街道に建ち並ぶようになった。地区の面積は約2.6ヘクタール。街道の上手には愛宕神社の一の鳥居がそびえ、地名の「鳥居本」はこの鳥居のたもとを意味する。
見どころ(歩く順)

- 下地区の町家
- 化野念仏寺より下手の街道に並ぶ、格子のある瓦葺き二階建ての町家
- 化野念仏寺
- 嵯峨野の無縁の死者を供養するため集められた約8,000体の石仏で知られる寺
- 上地区の茅葺き
- 念仏寺より上手の道に並ぶ、茅葺き屋根の農家風の建物
- 一の鳥居
- 地名の由来にもなった愛宕神社の朱色の大きな入口の門。「鳥居本」はその足元を意味する
おすすめの楽しみ方
街道の下から上へ、町家から茅葺きへと移り変わる景色を確かめながら歩き通したい。化野念仏寺では毎年8月最終の土・日に千灯供養が行われ、石仏の間に約千本の灯明がともされる。
実際の行き方
- 京都駅→嵯峨嵐山駅(JR嵯峨野線・約15分)。
- 嵯峨嵐山駅→保存地区(北西へ徒歩・約25〜30分・ゆるやかな上り)。
- 約600メートルの街道を、上手の朱塗りの鳥居に向かって上る。
- JR+徒歩(嵯峨嵐山駅経由)
- 京都駅→(JR嵯峨野線・約15分・240円)→嵯峨嵐山駅→(北西へ徒歩・約25〜30分・ゆるやかな上り)→保存地区。計 約45分。近くを清滝行きの京都バスも通るが、本数は1日数本のみ(約6〜8本・多くは日中)——頼る場合は当日の時刻表を確認。徒歩が確実。
- 帰りも同じ道で
- 嵯峨嵐山駅まで歩いて下れば(約25〜30分)、京都市街行きのJRが頻発する。嵐山方面の京都バスに乗る場合は、運行が午後〜夕方で終わるので注意。バスは少ないため、着いたら停留所で帰りの時刻を必ず確認すること。
行く前に
- 現金
- 沿道の小さな茶屋は現金のみが多く、田舎のバス運賃は小銭が要ることもある。念のため現金を用意しておくとよい。
- 定休
- 人の暮らす家々。通りは撮っても、窓や門の中、私有の庭は撮らないこと。
- 別ルート
- 少ないバスを待つより、嵯峨嵐山駅から寺々の界隈を抜けて徒歩約25〜30分で上るのがよい。おおむねゆるやかな上りの快適な道。
- 降りたあと
- 嵯峨嵐山駅から北西へ、舗装された道を上っていく。保存地区の街道は上手の石の鳥居に向かって続く。