滋賀西部・坂本No.039地図で見る →

坂本

〜穴太衆の石垣が続く里坊の町〜

craft穴場——実はすごい

比叡山の東麓に広がる門前町。延暦寺の修行僧が隠居した里坊の路地を、石工集団・穴太衆が積んだ野面の石垣がびっしりと縁取る。

坂本
実写(ライセンス済み)663highland / CC BY 2.5

坂本は比叡山の東麓に位置し、山上の大寺院・延暦寺と麓の日吉大社、二つの信仰の地への門前町として栄えた。特徴的なのが里坊——山で修行を積んだ老僧が隠居して暮らした小寺の集まりだ。里坊の間の路地には「穴太衆積み(あのうしゅうずみ)」と呼ばれる石垣が続く。石はほとんど加工せず、モルタルなしに面と角を噛み合わせて積む工法で、この地を拠点とした石工集団・穴太衆が手がけた。1997年、里坊群を中心とする約28.7ヘクタールが国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。

なぜ穴場のままか

多くの人はケーブルで一気に比叡山へ上り、麓の町を歩かない。英語の案内もほとんどなく、石垣は「風景」として見過ごされがちで、初めて訪れる人は石積みそのものに足を止めることが少ない。

歴史・背景

坂本は天台宗の総本山・延暦寺と日吉大社に仕える門前町として長く栄えた。安土桃山期から江戸期(おおむね1500年代後半〜1800年代)に、比叡山での修行を終えた僧に小さな里坊が与えられ、その多くが今に伝わる。穴太衆は16世紀の石工集団で、自然石の形を生かしつつ強度を出す野面積みの技法は、のちに各地の城の石垣にも用いられた。

見どころ(歩く順)

実写(ライセンス済み)663highland / CC BY 2.5
穴太衆積みの石垣
加工しない自然石をモルタルなしで積んだ野面積みの石垣。路地の両側を縁取る
里坊
隠居した延暦寺の僧が暮らした小寺。今も約50が残る
旧竹林院
里坊の一つ。約3,300平方メートルの庭園は国の名勝に指定
日吉大社
坂本の丘の上に鎮まる大社。駅からの坂道の目指す先

おすすめの楽しみ方

JR比叡山坂本駅から日吉大社方面へ坂を上ると、石垣の路地がほどなく始まる(徒歩約20分)。地区はコンパクトで歩いて回れる。里坊の庭園は5月の連休前後に公開されるものもある。路地に照明はなく木立の下は早く暗くなるので、日没前に歩き終えるのがよい。

実際の行き方

起点
京都駅
所要
約40分 · 電車+徒歩
降車
比叡山坂本駅(JR湖西線)
  1. 京都駅 → 比叡山坂本駅(JR湖西線・約15分・乗換なし)。
  2. 比叡山坂本駅 → 石垣の路地(日吉大社方面へ坂を上る・徒歩約20分)。
  3. 石垣の里坊の路地を徒歩で巡り、帰りも同じJR線で戻る。
JR湖西線・乗換なし
京都駅 →(JR湖西線・約15分)→ 比叡山坂本駅。乗換なし。駅から石垣の路地・日吉大社までは坂を上って徒歩約20分。合計およそ35〜40分。電車は1時間に3〜4本。
京都へ戻る
帰りも同じJR湖西線で京都駅へ。夜遅くまで1時間に3〜4本。路地に照明はなく、木立の下は早く暗くなるので、日没前に歩き終えるのがよい。
現在地からの経路を開く(Google マップ)↗

行く前に

現金
里坊のうち庭園を拝観できるものは、少額の現金拝観料がかかる。カードが使えないこともあるので小銭を用意。
定休
現役の寺や住まい。公道の路地を歩き、私有の門内には入らない。
別ルート
京阪石山坂本線の終点・坂本比叡山口駅は石垣の路地により近い(徒歩約5分)が、京都からはJRから京阪への乗換が必要。
降りたあと
JR比叡山坂本駅から日吉大社方面へ坂を上ると、途中から石垣の路地が始まる。舗装路を徒歩15〜20分。

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