京都南部・宇治田原No.014★地図で見る →
正寿院
京都南部の茶山の奥に建つ高野山真言宗の小さな寺。ハート型の「猪目窓」が庭の四季を切り取り、頭上には160枚の花天井が広がる。

正寿院は、宇治田原という京都府南部の山あいの町、茶畑に囲まれた細い谷を上った場所にある。客殿は「猪目窓(いのめまど)」と呼ばれるハート型の窓で知られ、桜・新緑・紅葉・雪と庭の四季を切り取る。同じ部屋の天井は、約百人の作家や美術学生が手がけた花や日本の風景の板絵160枚で埋まる「花天井」だ。晴れた日には窓から差し込む光がハート型となって畳に落ちることもある。猪目の形そのものは寺社に古くから用いられてきた意匠で、約1,400年の歴史をもつとされる。
なぜ穴場のままか
京都の主な観光ルートから大きく外れているため、静かなまま。宇治田原の山あいの茶畑の奥にあり、電車・バス・徒歩を乗り継ぐ必要があり、直通バスは土日祝しか走らない。
歴史・背景
正寿院は高野山真言宗の寺で、その歴史はおよそ鎌倉時代(12〜14世紀)にさかのぼり、のちに近世に再興されたと伝わる。寺宝には、鎌倉時代を代表する仏師・快慶の作と伝わる不動明王坐像(国指定重要文化財)がある。本尊は十一面観音で、秘仏として通常は非公開、限られた機会にのみ開帳される。
見どころ(歩く順)

- 猪目窓
- 客殿にあるハート型の窓。外の庭の四季を切り取る
- 花天井
- 頭上を埋める花や日本の風景の板絵160枚
- 夏の風鈴
- 6月1日〜9月30日、境内に2,000を超える風鈴が下がる
- 快慶の不動明王
- 快慶作と伝わる不動明王坐像。国指定重要文化財
おすすめの楽しみ方
6〜9月の風鈴の季節は境内が2,000を超える風鈴の音で満ちる。畳に落ちるハート型の光を狙うなら晴れた日がよい。写経・写仏・数珠づくり・ヨガなどの体験も用意されており(一部は要予約)、時間に余裕をもって訪れたい。
実際の行き方
- 1. 京都駅 → JR宇治駅(JR奈良線・約16〜22分)
- 2. JR宇治駅 → 奥山田正寿院口(宇治茶バス186番・土日祝のみ・約40分)
- 3. 奥山田正寿院口 → 正寿院(徒歩・上り坂を約17〜20分・約1km)
- JR奈良線+宇治茶バス(土日祝)
- 京都駅→(JR奈良線・約16〜22分)→JR宇治駅→(季節運行の宇治茶バス186番・約40分)→奥山田正寿院口→(徒歩・上り坂を約17〜20分)→正寿院。計 約75〜80分。この直通バスは土曜・祝日のみ、1日数本の運行——出発前に当日の時刻表を確認。平日は直通バスがなく、JR宇治駅から京阪バス180番(立場線)で維中前まで(約30分)、そこからタクシーで向かう(約10〜20分)。
- 帰りは同じ経路
- 帰りは同じ経路をたどる。奥山田正寿院口まで歩いて下り、宇治茶バスでJR宇治駅へ、そこからJR奈良線で京都へ。直通バスは季節運行(土日祝)で夕方には終わるので、着いたらまず帰りの最終時刻を停留所で確認しておく。
行く前に
- 現金
- このあたりの地方バスは現金のみ、または一部の便でしかICカードが使えないことも多い——念のため小銭と小額紙幣を持っておく。
- 定休
- 寺は日中に拝観できる。拝観時間や風鈴まつりの期間は、出発前に正寿院公式サイトで最新情報を確認するとよい。
- 別ルート
- 平日、または季節バスが運休のときは、JR宇治駅からタクシー(約30分)か、維中前バス停からのタクシーが最も確実。
- 降りたあと
- 奥山田正寿院口(季節運行の宇治茶バスの停留所)。そこから寺までは上り坂を徒歩約17〜20分(約1km)。