太平燕
実写(ライセンス済み)Hajime NAKANO / CC BY 2.0

熊本・上通No.1214★★地図で見る →

太平燕

〜熊本の中華風春雨スープ〜

food穴場——実はすごい

澄んだ中華スープの春雨に、野菜と海鮮の炒めものと丸ごとの揚げ卵。熊本だけの一杯で、発祥を名乗る店がいまも軒を構えるのは市電通りの北側のアーケードだ。

  1. 起点熊本駅
  2. 約20分市電+アーケード徒歩
  3. 降車通町筋電停(熊本市電)
  4. 徒歩
  5. 太平燕

狙い目

隠れた料理ではない。県が公式に郷土の味として掲げ、給食にも出る。熊本で育った人なら説明の要らない一品だ。ずれているのは売り場のほうで、太平燕が載っているのは中華料理店のメニューであり、旅行者が「熊本の郷土料理」と検索して辿り着く店の側ではない。だから市内に二日いても出会わないまま帰ることがある。

場所

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見どころ(歩く順)

熊本市電・通町筋Olegushka / CC0
  1. 通町筋電停道路の真ん中に浮かぶ島式のホーム。二本のアーケードが線路を挟んで向かい合う地点にあたる
  2. 上通の入口電停から北側へ渡ったところ。ここから屋根が架かり、店の庇が頭上で閉じる
  3. 熊本市現代美術館アーケードに面した建物の上階。市電通りから数軒入ったところにある
  4. 上通アーケード城下の二本の屋根付き商店街のうち静かなほう。1934年創業を掲げる中華料理店もこの並びにある
  5. 並木坂アーケードが途切れた先に続く、屋根のない並木の通り。小さな店が並ぶ静かな一帯

実際の行き方

  1. 熊本駅→通町筋(熊本市電・乗り換えなしで20分ほど)。
  2. 線路の北側へ渡り、上通アーケードへ入る。
  3. 食べるのはアーケードの中で。太平燕があるのは郷土料理の店ではなく中華料理店のメニューだ。
  4. 屋根を抜けて並木坂へ北上するか、電停まで戻る。
熊本市電で通町筋へ
熊本駅前電停→(熊本市電・20分ほど)→通町筋電停、そこから北側へ渡ればすぐアーケードに入る。市電は市街を貫く一本の路線で乗り換えもないので、考えることは降りる側がどちらかくらいだ。
通町筋か熊本城・市役所前から戻る
どちらの電停もアーケードから数分の位置にあり、同じ路線で熊本駅方面へ戻れる。市電は夜まで動くが、アーケードの厨房は最終電車よりずっと早く閉まる。昼か早い夕方に来るのが自然な形だ。
現在地からの経路を開く(Google マップ)↗

どんな場所か

太平燕は、澄んだ中華のスープに春雨を沈めた麺料理だ。上には白菜、人参、玉ねぎ、きくらげ、たけのこ、豚肉、エビ、イカを炒めたものが、湯気を立てたまま流し込まれる。さらにその上に、ゆで卵を油で揚げて皮がしわを寄せたものが丸ごと一つ。熊本の厨房ではこれを虎皮蛋(フーヒータン)と呼ぶ。店によってはゆで卵のまま、あるいはうずらの卵で出すこともある。ちらと見ればちゃんぽんだが、小麦の麺は一本も入っていない。県は郷土の味の筆頭格として挙げ、市内の小学校では給食の献立に並ぶ。

おすすめの楽しみ方

行くなら夜より昼がいい。太平燕は熊本が日中に食べるもので、小麦でなく春雨、脂でなくスープという組み立ては、その日の食欲を使い切らないためにある。まだ食べ歩くつもりのある街で、最初の一食に向くのはそのためだ。揚げ卵は割って、しわの寄った皮にスープを吸わせるといい。ゆでてから揚げているので、黄身は流れずしっかりしている。アーケードは端から端まで屋根の下なので、雨でも予定は変わらない。

歴史・背景

もとは中国・福建省の福州の料理で、明治後期に長崎を経て熊本へ入った華僑が伝えたとされる。福州のそれは祝いの日に食べるスープで、アヒルの卵を使った包み物が主役だった。日本では材料が揃わず、包み物は春雨に、アヒルの卵は鶏卵の揚げ卵に置き換わった。発祥を名乗る熊本の中華料理店はいずれも1930年代の開業で、うち一軒は1934年創業を掲げ、いまもこのアーケードに店を構えている。どこが最初かは今も決着していない。

行く前に

現金
アーケードを歩くだけなら費用はかからない。街なかの店なのでカードは通るが、小さなカウンターでは現金のみのこともある。市電は降りるときに払う。熊本の交通機関で使える支払い手段はここ数年で何度も入れ替わっており、市が最新の案内を出しているほどなので、現金を少し持っていれば迷わない。
知っておきたいこと
電停から北は並木坂の手前まで屋根の下で、雨の日や、阿蘇が雲で閉じている日に確実な行き先になる。飲食店の営業時間は店ごとに違う。昼の営業は見込んでよいが、昼と夜のあいだに閉める厨房もある。
別ルート
熊本城からは花畑あたりを抜けて南東へ、平坦な道でアーケードに入れる。熊本駅からの路線バスや空港リムジンは桜町バスターミナルに着き、アーケードまでは北東へ直線で1kmほど。
降りたあと
通町筋の島式ホームから北側の歩道へ渡ると、正面がアーケードの入口になる。ここで取り上げているのはそこから北へ、徒歩三分ほどの平坦な区間で、全部が屋根の下だ。

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距離は地図上の直線で、移動時間ではありません。